★「10円ガム」膨らむ販路 名古屋市西区の「丸川製菓」
・メード・イン・アイチの「10円ガム」が海外で売れ行きを伸ばしている。
日本から輸出されるガムの7割を占め、中東や東南アジアでは人気に乗じた
コピー商品まで出回るほど。徹底したコスト低減で“10円”を守り通したことが、
輸出を支え続ける。
名古屋市西区の風船ガムメーカー、丸川製菓。看板商品「マーブルガム」は、日本の駄菓子屋では
すっかり定番商品となった10円ガムだ。全売上高の2割強を占める輸出額は、2010年6月期で
約7億5000万円に上る。
輸出がスタートしたのは、国内でマーブルガムの生産、販売を始めたのと同じ1959年。
国内需要が落ちる夏場に生産量を維持するためだった。
長続きする香り、味は海外でも評判を呼んだ。中東や米国を中心に広まったが、85年に転機が訪れた。
ドル安誘導が決まったプラザ合意だ。急激な円高で打撃を受け、商社を通すやり方から、自社で販売
価格を決めやすい現地業者との直接取引へと徐々に切り替えた。
取締役貿易部部長の大場和則さん(61)は振り返る。「最初は中東の国々を巡り、飛び込み営業。
交渉中に男たちに脅されたこともあった。でも、当時の苦労が今につながっている」。
開拓した輸出先は、サウジアラビアや韓国、インドなどアジアを中心に約10カ国に上る。
同社は今も、海外に工場を持たない。コストダウンを徹底するため、30数年前に社員が造った
設備を使い続ける。修繕管理も自前。コンテナで一度に大量輸出するのも、その一策だ。
円高の中、多くの現地業者は円建て決済を受け入れてくれている。これも、同社幹部は
「販路開拓で培った信頼関係のたまものだ」と言う。
http://www.chunichi.co.jp/article/economics/vseed/CK2010080402000177.html 海外でも人気の丸川製菓の「10円」風船ガム=名古屋市西区の同社で
http://www.chunichi.co.jp/article/economics/vseed/images/PK2010080402100104_size0.jpg >>2以降に続く