・大韓航空機爆破事件の実行犯で元北朝鮮工作員の金賢姫(キム・ヒョンヒ)元死刑囚による
3泊4日の日本訪問は、後味の悪さを残して終了した。今回、金元死刑囚を招待した
日本政府は「行き過ぎた歓迎だった」として非難を浴び、拉致被害者関連の一部団体は、
「まともな情報が得られなかった」と不満をぶちまけた。訪問から4日後に、金元死刑囚は
突き刺さるような視線を尻目に、日本政府が準備した小型ジェット機に乗って帰国した。
火に油を注いだのは22日の「ヘリ観光」だった。通常は10分で移動できる距離だが、ヘリは
40分間にわたって飛行を続けた。日本のメディア報道によると、ヘリは東京近郊の観光地である
横浜、箱根、江ノ島などの上空を回ったという。金元死刑囚は当初、富士山を見たいと
言っていたという。今回利用されたヘリコプターの使用料は1時間に80万円程度だという。
日本のメディアはさらに、「行き過ぎたパフォーマンス」と批判し続けた。23日付の朝日新聞
朝刊は、「巨額の費用と人員を投じたにもかかわらず、拉致問題解決につながる新情報は
得られなかった」と指摘した。同紙はさらに、「日本政府から謝礼」との見出しを掲げ、
金元死刑囚が謝礼を受け取ったかのように報じた。ほかのメディアもまた、鳩山前首相の
別荘にすしやフランス料理などが何度も配達されたと伝えた。
特定失踪者問題調査会の荒木和博代表は22日、金元死刑囚が滞在していたホテルを訪ね、
金元死刑囚に行方不明者の写真を確認してもらおうとしたが、政府関係者に拒否された。
荒木代表は「政府が(元工作員に)失踪者の写真も見せず、一緒にのんびり食事をしている
ことが本当に許されるのか。憤りを感じる。ヘリコプターの遊覧飛行は話にならない」と批判した。
結局、中井洽拉致問題担当相は「ちょっと上空を飛ぶことが、非難されるとは思わない。
こんなことが非難されるのなら、世界中だれも情報持った人は日本に来ようとしないだろう」と
反論。謝礼金を支払ったとの朝日新聞の報道について、「一切ない」と否定した上で、ゲーム機、
筆箱、ボールペンなどを記念品として手渡したと説明した。(抜粋)
http://www.chosunonline.com/news/20100724000017