【政治】 国連当局が日本政府に失望感 スーダンへの陸自ヘリ部隊派遣見送りで

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1四苦八苦φ ★
 【ニューヨーク時事】日本政府が国連スーダン派遣団(UNMIS)への陸上自衛隊ヘリ部隊の派遣を見送ったことを受け、
国連当局内には失望感が広がっている。
スーダン南部では北部からの独立を問う住民投票が来年1月に予定され、
その成否が国連にとって「最大の関心事の一つ」となっている中、
日本は国連活動に対する積極姿勢を示す絶好の機会を逸した形となった。
 スーダンでは20年以上南北間で内戦が続き、2005年に包括和平合意が成立。
国連はこれに基づく今年4月の大統領・議会選と来年の住民投票の円滑な実施を、
スーダンの民主化や安定を進めるカギとして重視してきた。
 UNMISが展開する同国南部は道路事情が悪く、投票箱などの空路輸送が不可欠だ。
大型ヘリは主に先進国が所有するが、その多くがアフガニスタン対応で出払っており、
国連は日本をヘリを拠出できる数少ない国の一つと見てきた。
 国連の潘基文事務総長は昨秋、日本政府にヘリの派遣を要請。
政府が今年5月に調査団をスーダンに送ったこともあり、国連内で期待が高まっていた。
 しかし、日本政府は今月13日に見送りを発表。
スーダン内陸部までヘリを陸上輸送することの難しさなどを判断材料に挙げたが、
国連当局者は「他の国は同じ条件下でやってきた」と理由の薄弱さを指摘する。
 また、北沢俊美防衛相が言及した「費用対効果」について、
同当局者は米国も日本政府内の議論を期待感を持って注視してきたと述べ、
「実現すれば、対米国に限ってもアピール度は極めて大きかったはずだ」とみる。
 日本政府は今年1月に大地震に見舞われたハイチに対し、
国連ハイチ安定化派遣団(MINUSTAH)の一員として陸上自衛隊の施設部隊を送り、国際社会で高い評価を得た。
だが、国連内では、日本がUNMISで派遣を決断できないようでは、
今後、国連平和維持活動(PKO)への大規模な参加は困難との悲観的な見方も出ている。

時事通信 (2010/07/18-14:44)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010071800065