★脳死移植32例の検証宙に浮く 国の検討会“休眠状態”
脳死移植が適正に行われたかどうかを調べる厚生労働省の「検証会議」(座長・藤原
研司横浜労災病院名誉院長)が昨年3月から1年以上開かれておらず、2007年5月
以降に国内で実施された計32例の検証作業が宙に浮いていることが17日、分かっ
た。このうち2例は臓器提供日から3年以上放置されている。
厚労省の臓器移植対策室は「改正臓器移植法施行に伴う準備で忙しいため」と説明、
当面は開催する予定もないとしている。会議の委員からは早期再開を求める声が上がっ
ており、移植医療に詳しい生命倫理学者は「脳死移植をめぐる手続きの透明性が損なわ
れている」と指摘している。
臓器提供の大幅増を目指す改正移植法が17日に全面施行され、15歳未満の子ども
からの臓器提供も可能となったが、移植医療の信頼確保に向けた国の姿勢があらためて
問われそうだ。
厚労省によると、国内でこれまでに法的脳死と判定されたのは87例(うち1例は臓
器提供に至らず)で、55例目まではすでに検証が行われた。このうち金沢大病院(金
沢市)で行われた46例目の検証では、同病院が脳死判定時の脳波検査の記録を紛失し
たことが明らかになった。
■ソース(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201007/CN2010071701000793.html