・「全国各地をいろいろ回ったが、民主党への期待は変わっていないよ」
報道各社の出口調査で与党過半数割れが決定的となった11日午後7時ごろ。首相
(民主党代表)の菅直人は、公邸を訪れた阿久津幸彦首相補佐官らにさばさばした
表情でこう語った。どんな結果になろうとも辞める必要はない。そんな決意がにじみ
出ていた。
「参院選でしっかりした勝利を挙げることで、安定的な政権が実現する」
通常国会最終日の6月16日、首相の菅直人は参院議員総会でこう強調した。その8日前に
菅政権が発足すると内閣支持率は鳩山前政権末期の2割台から6割台に「V字回復」。
すると菅はあからさまに「選挙最優先」の姿勢を打ち出し、自らが提案していた党首討論や
予算委員会も実施しないまま国会を閉じた。
その結果、前首相、鳩山由紀夫や前幹事長、小沢一郎らの「政治とカネの問題」は
うやむやにされた。鳩山辞任の引き金となった米軍普天間飛行場移設問題にどう
取り組むかも明らかにしなかった。
にもかかわらず、菅は7月10日、福井県坂井市での演説でこう言い放った。
「政治とカネとか普天間のことで少し心配をかけたが、それもクリアした」
今回の参院選を受け、衆参で再び「ねじれ」が生じる。民主党は野党に法案審議などで
その都度協力を求めていかざるを得ない。
だが、これまで「数の力」におぼれ、与野党協力を拒んできたのは民主党自身だった。
3月16日の参院内閣委員会で、副総理・財務相だった菅は自民党参院議員、古川俊治の
質疑に本音を明かしている。
古川「多くの議員の意見を取り入れる。これが国会審議を活性化することだと思うが、いかがか」
菅「私は、議会制民主主義とは期限を切ったあるレベルの独裁を認めることだ、と思っている」(抜粋)
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100712/stt1007120418001-n1.htm