ベネズエラの警察は7月8日、同国の銀行制度を混乱させる目的で、マイクロブログサイトTwitterで
風説を流布したとして、2人を逮捕したと明らかにした。
同国の大手銀行は一般に、構造的に健全だと考えられているが、昨年以来、経営難の小規模銀行が
多数閉鎖されていることから、金融セクターに危機が迫っているといううわさが流れ、
預金者に不安を与えている。
「電子メール、携帯メール、Twitter、Facebookなどいかなる通信手段であれ、悪意あるうわさを流すのは
犯罪であり、当局の前で責任を取るべきだ」と捜査機関CICPCの責任者ウィルマー・フロレス・トロセル氏は語る。
逮捕された1人は男性で、最初の違法なツイートを送信するのに使われた携帯電話を所持していたとトロセル氏は言う。
また捜査官は、女性1人を拘束し、彼女のHDDとコンピュータ機器を押収したという。
CICPCによると、容疑者はいずれもシウダードボリバル東部で逮捕された。同機関は、「取り付け騒ぎを起こす目的で」
Twitterにベネズエラの金融システムについて虚偽の情報を投稿した疑いで容疑者らを4カ月間捜査していた。
同国政府は昨年、政府関係者とつながりのある事業家らが不正経営を行っていた11行の小規模銀行を閉鎖した。
先月には中堅銀行Banco Federalを、流動性の問題と詐欺の恐れを理由に政府管理下に置いた。同行は政府反対派
のテレビ局Globovisionと密接な結びつきがあった。
国内のTwitterユーザーは政府の動きに逐一コメントし、批判している。辛らつな意見もしばしば見られる。
Twitterは今年に入ってからベネズエラで爆発的に人気が高まっており、ウゴ・チャベス大統領も参加している。
大統領のアカウント(@chavezcandanga)は4月に開設され、すぐに64万5000人を超えるフォロワーを集め、
Globovisionを抜いて国内でフォロワー最多になった。
(ロイター)2010年07月09日 14時30分 更新
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1007/09/news040.html