宮崎県内の農協組合員らでつくる県内最大の政治団体、県農民連盟が29日、参院選宮崎選挙区
(改選数1)での自主投票を決めた。これまでは自民党を支持してきたが、政権交代に加え、
家畜伝染病の口蹄疫(こう・てい・えき)被害に見舞われ、「党派を超えた口蹄疫対策なしに宮崎農業の
復活はない」として中立化へかじを切った。
同連盟は農協組合員約6万5千人とJA宮崎経済連などの職員約3千人で構成する。宮崎県内の
有権者は約94万人だが、家族らも加えると13万〜14万人を占めるとされる。
今回の参院選宮崎選挙区では、自民党現職の松下新平氏(43)と民主党新顔の渡辺創氏(32)=
国民新党推薦=が同連盟に推薦を要請していた。通常は最高意思決定機関である代議員会(約130人)で
公示前に対応を決めるが、今回は口蹄疫の影響で代議員会を開けず、29日は県内13支部の代表ら
約20人による支部長会で自主投票を決めた。全会一致だったという。
同連盟が国政選挙で自主投票とするのは自民分裂選挙となった2001年の参院選以来。
委員長の羽田正治・JA宮崎中央会会長は、口蹄疫問題に触れつつ「国の予算編成は政府・与党の仕事。
(支持、不支持の)白黒をはっきりさせていいのかという部分もある」と述べ、政権交代も影響したとの考えを示した。
これに対し、自民党県連幹事長の米良政美県議は「鮮明な態度は取らないだろうと予期していた。
自民党を支えてきてくれた農民の皆さんのためにも負けられない」と述べた。民主党県連の井上紀代子代表は
「とりわけ口蹄疫対策に関して与党に期待を寄せてくださったことの表れ。思いに応えたい」と語った。
今回の参院選で、農協グループの政治団体、全国農政連は自民党支持から自主投票へ転換。
地方組織も大半が統一的な選挙運動をしない。宮崎県内の政党関係者には「宮崎の場合は口蹄疫が中立化に
都合のよい口実になった」との見方も出ている。
宮崎選挙区には共産党新顔の馬場洋光氏(41)も立候補している。
asahi.com:県農民連盟が自主投票、口蹄疫で中立化-マイタウン宮崎
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