御殿場署と県警外事課は16日、入管難民法違反(不法残留)の疑いで御殿場市に居住していた韓国籍の女(35)を逮捕した。
県警の調べによると、女は強制退去処分を受けた前歴を隠して入国するため、空港での入国審査時に別人の指紋のシールを
指に張って生体認証システムを通過したとみられる。指紋のシールを使った不正な入国の摘発は県内では初めて。
逮捕容疑は在留期限が過ぎた後、約2年にわたり国内に不法に滞在した疑いが持たれている。県警によると、
女は以前にも不法残留などで強制退去処分を受けていたが、その後、自国で名前を変え、新たな名義で
パスポートを取得し2008年3月に羽田空港から入国したという。その際、指紋のシールを使って認証を通過したとみられる。
女は県東部の飲食店などで働いていたが、今年5月、東京入国管理局に不法滞在容疑で摘発され、
身柄を拘束されていた。その後の県警などの調べで、入国時の不正が発覚したという。
法務省入国管理局によると、入国審査時の生体認証システムは07年に国内で導入され、
16歳以上の外国人に指紋の検査や顔写真の撮影を義務付けている。指紋は前歴者リストと照合し、
該当者は入国を拒否する仕組み。今年1月にも神奈川県で指紋シールを使った不正入国の韓国人が摘発されている。
入管難民法では指紋の偽装で認証を通過する行為自体には罰則規定がなく、県警は不法残留容疑を適用したという。
今後、県警などはシールの入手先や組織的背景などについて捜査を進める方針。
http://www.shizushin.com/news/social/shizuoka/20100616000000000061.htm