鳩山由紀夫首相が退陣した後の民主党新体制は、小沢一郎幹事長の影響力がどこまで
残るかが焦点となる。首相は辞任の理由に「政治とカネ」の問題をあげ、小沢氏の幹事
長辞任が「新しい民主党」には不可欠だと訴えた。ただ後継首相を選ぶ党代表選では、
党内で最大の議員グループを擁する小沢氏の動向は無視できない。新代表が小沢氏の影
響力をどこまで排除できるかは不透明だ。
小沢氏は昨年の衆院選による政権交代後、党内の資金と選挙の公認権限を一手に掌握
してきた。参院選でも、党内の抵抗を押し切って改選定数2以上の複数区で複数候補を
擁立してきた。参院選を直前に控えた段階での幹事長辞任が、選挙の実務に影響すると
の懸念も一部にはある。
だが民主党の「創業者」でもある鳩山首相の発言は、参院選に反転攻勢をかけるた
め、小沢氏を新体制でも重要ポストにつけないことに主眼があるとみられる。小沢氏は
昨年5月、党代表を辞任した後は選挙担当の代表代行に就任して影響力を温存した。小
沢氏を完全に排除すれば、小沢氏を支持する議員が反発するのは避けられず、党内抗争
に発展する可能性もある。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819481E2E0E2E29D8DE2E0E2E4E0E2E3E29F9FE2E2E2E2;at=ALL