【口蹄疫】 「国の責任で防疫対策の徹底を」 九州地方知事会が特別決議

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179名無しさん@十周年
NHK 持論公論 口蹄疫 種牛感染の衝撃

宮崎県で口蹄疫による非常事態宣言が出されて一週間あまり
ワクチン接種は今日までにほぼ終わり 国会はさきほど農家への支援
1000億円を盛り込んだ特別措置法案を衆議院の委員会で可決
しかし感染拡大は今も止まっておらず被害は
これまで何十年もかけて作り上げて来た種牛にも及んでいる
宮崎県の損失は計り知れず影響は全国にも広がりそうである
広がる感染が地域農業に与えた影響と現在の対応について考える

宮崎県の種牛に感染が見つかったのは今月22日だ
感染から護りたいとしてわざわざ離れた所に移していた6頭のうちの1頭からだった
口蹄疫が拡大している宮崎県では当初特産の宮崎牛の繁殖に使う種牛
55頭全てを高鍋町にある県の家畜改良事業団で飼育していた
しかし付近の農場で感染の疑いのある牛が見つかったことから
今月13日、種牛の中でも特に価値の高い6頭だけは
感染から護りたいとして特別に国の許可をもらい
20キロ離れた西都市の山間の農場に移していた
ところが国の検査機関で6頭の検査をしたところこのうちの1頭が
口蹄疫に感染した疑いがあることがわかったのだ
口蹄疫は極めて感染力の強い伝染病で、
同じ農場で飼われていた牛や豚は全て処分することが求められる
しかも高鍋町に残してあった49頭の中からも
既に感染の疑いのある牛が出ており
これも全て処分しなければならない
県は最悪全ての種牛を失いかねない状況
180名無しさん@十周年:2010/05/27(木) 11:19:31 ID:F//52fQL0
宮崎県では精液の9割をこの6頭に頼っておりそうした精液から取れる子牛を
県内だけでなく全国に出荷していた 
こうした子牛は松坂牛や佐賀牛に育成するためにも使われて
まさに宮崎県の畜産を支える土台だった
こうしたことから県は今回残り5頭について毎日検査を行って
健康状態を確認していくことを条件に
特例として経過観察を申し入れ国もこれを認めた
しかし特例を認めれば感染拡大の危険は増していく
あちこちから特例を求める声が上がり収拾がつかなくなるからだ
これでは感染を防ぎきることが出来ない

しかし、そこまでして何故県が種牛を護ろうとしているのか
それは畜産振興やブランド化を図っていく上で優秀な種牛が欠かせないから
霜降り肉特有の旨みと柔らかな肉質で人気の和牛は
全国でブランド化が競争になっている
いい種牛の条件とされるのは(1)サシが入りやすい肉質
(2)少ないエサでも太る効率性 (3)病気をしない飼い易さ
こうした形質の子牛を安定的に生み出せること
全国の和牛産地は競ってそうした種牛を長い年月をかけて
交配を重ねて作り上げてきた
そうして作り上げられてた種牛は優秀であればあるほど
県が抱え込んで精液を外には出さない
もし宮崎県が5頭の種牛を失えばこれまで積み上げてきた実績が無になる
農水省では宮崎牛の血を引く子牛を確保して
種牛の候補としてもらうことも考えてはいるが
それでも優秀な種牛が出来上がるまで少なくとも5年が必要
法律の特例を作っても種牛を護りたい理由はここにある
しかし隣の鹿児島県や大分県、熊本県にしてみれば
今回の対応は不服だろう
宮崎県で封じ込めに失敗すれば感染は近隣に及ぶ
鹿児島県では既に自らの種牛を喜界島など離島に避難を始めた
宮崎県としては近隣の県への説明、これが必要ではないか
181名無しさん@十周年:2010/05/27(木) 11:24:02 ID:F//52fQL0

では何故感染の広がりを止められないのか?
宮崎県では感染した牛が見つかって以来、一定の範囲内で家畜の移動を止め
感染の疑いのある家畜を処分することでウィルスを封じ込める対策を取ってきた
ところが感染した家畜の数が多く、埋める土地が不足して
家畜を処分できない状況が続いている
感染した家畜はそれ自身が感染源となって大量のウィルスを吐き出す
特に豚が排出するウィルスの量は牛の1000倍にも及ぶと言われる

昨日の衆議院委員会で山田農水副大臣は、処分の対象となった豚が
何万頭と放置されてしまったことが感染を爆発させたとする見方を示した

感染病はよく火事にたとえられる 小さなうちに消火できなかった感染が
豚に感染して炎上し次から次へと延焼を繰り返している
現在の状況はまさにそうした状態だと専門家は見ている
こうした状況ではいくら消毒をしても感染は止まらない
このため国会は農家への支援1000億円と共に
ワクチンを打った家畜を処分できるようにする特別措置法案を衆議院委員会で可決
感染の恐れのある家畜をこの地域からなくすことで
空白地帯を作り感染拡大を防ごうという訳だ
ワクチンを打てばおよそ一週間で体の中に抗体が出来る
来週には感染のスピードが落ちてくるのではないかと専門家は期待
182名無しさん@十周年:2010/05/27(木) 11:29:04 ID:F//52fQL0

しかし一方で既に感染した家畜の処分、これが進まなければ
ウィルスは吐き出され続ける 感染の疑いのある家畜の処分は
昨日までにまだ半分に過ぎない
これではウィルスがいつ外に漏れ出るかわからず抜本的な対策にはならない

では処分した家畜を埋める土地の対策は一体どういう風になっているのか
病気発生時の対応については昭和26年に定められた
家畜伝染病予防法でこれを定めている
ところがこれが今の時代に合っていない まず処分する土地の用意 
予防法では処分した家畜を埋める場所、これは発生した農場か 
それがなければ農家が自ら場所を用意することになっている
ところが農家が1頭、2頭の小規模で飼育している時代は良かったが
今はどこの農場も大規模化しており100頭以上の牛や1万頭以上の豚を
飼っている農家もある 一旦家畜が感染すれば同じ農家の
全ての家畜を処分しなければならない
それだけの土地を個人ではとても確保できない
183名無しさん@十周年:2010/05/27(木) 11:32:45 ID:F//52fQL0

では誰が主体となって対策にあたるのか
法律では国が対策の方針を決め 
都道府県知事が実際の命令を出すというふうにされている
【字幕】
家畜伝染病予防法
(1)農家が独自に処分地を用意 ⇒ 大規模化で不可能
(2)県知事が対策を命令

しかし知事は地元利益の代弁者でもある
今回も県が慌てて土地の確保に乗り出したが
農家への補償問題や、悪臭などへの心配から
近くの住民の理解が得られず未だに埋める場所が十分用意できていない
感染の防止対策は地元の意見を聞きながら
調整をしながら行う問題ではあるが
県にまたがる国家の問題である
しかも伝染病対策は何よりスピードが大切
国がもっと積極的に対応することも必要ではなかったか
【字幕】
(2)県知事が対策を命令 ⇒ 家畜防疫は国の役割

誰かが泥をかぶる覚悟で土地を探し対策にあたらないと
被害はますます広がっていく
今回のように爆発的な感染を起こす伝染病は
一つ対応を間違えれば地域が崩壊するような被害をもたらす
今日可決された法案では 農家が家畜を処分し埋めた費用も
国が全額補償するなど農家の取り組みを支援するものとなっている
しかしどこに埋めるかなど具体的な土地探しはこれからだ
処分した家畜を埋めた土地をどう手当てするのか
まさに感染拡大を続けるウィルスとの競争となっていると思う