離婚した夫婦の間で、子どもの養育費をめぐる争いが急増している。全国の家庭裁判所が2009年中に
受け付けた養育費をめぐる調停と審判の件数が前年から2〜3割増えたことが最高裁のまとめで分かった。
背景には、養育費を負担する父親の給料減やリストラといった経済事情の悪化がありそうだ。
調停は、当事者同士が話し合いで解決できるよう家裁の裁判官や民間出身の調停委員が助言する手続き。
まとまらない場合は裁判官が判断し、決定をする審判手続きに移る。
最高裁家庭局のまとめによると、離婚後に養育費をめぐって申し立てられた調停件数は03年の1万7千件強を
ピークに最近は1万5千件程度で落ち着いていたが、09年は1万8513件となり、前年から17%増えた。
これに伴い、審判件数も前年比30%増の2911件となり、いずれも戦後最高を記録した。
厚生労働省によると、日本では離婚の9割が当事者同士で話し合う協議離婚のため、離婚後の子の養育をめぐる
取り決めがあいまいな場合が多い。06年の抽出調査によれば、離婚した母子世帯の4割弱が養育費の取り決めを
しているが、実際に受け取っているのは2割弱しかいない。
こうした状況を改善するため、同省は07年度に養育費の受け取り方法などをアドバイスする「養育費相談支援
センター」(東京)を設置した。相談件数は08年度の3193件から09年度は5162件に増え、今年はさらに
上回りそうな勢いだ。元夫側が約束を破って途中から払わなくなったり、一方的に減額されたりするケースが多いと
いう。
※続きます。
asahi.com 2010年5月17日15時1分
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