動画、ツイッター、ブログ……。事業仕分け第2弾のやりとりはネットで生中継され、視聴者の批評を
受けた。カメラが固定されて発言者の表情がよく見えなかった昨年の第1弾とは異なり、今回は「政府
公認」のネット業者がテレビ局のカメラと並んで最前線で中継。昼休みの会社から、電車の中から、大学
構内から、多くのネットユーザーが議論を見つめた。
会場となった東京・日本橋の会議室。ロの字形に並んだ「仕分け人」たちの机を約20台のカメラが
囲んだ。カメラ位置を優先的に割り当てられたのは、政府からネット中継を委託された5業者のカメラだった。
「仕分け」視聴のために無料登録会員が増えるかも知れないと期待していた「ニコニコ生放送」のドワンゴは、
二つの会場で計6台のカメラを配置。蓮舫参院議員の様子を中心に放映した。
開始の直後には9千人余りだった総視聴者数は、会社などが昼休みになった正午過ぎからうなぎ登りに。
午後1時には1万5千人に達した。連動するツイッターには「政治もニコ動だと見たくなる」と書き込みが
あった。
仕分け人たちの議論に視聴者はすぐに反応する。
沖縄科学技術研究基盤整備機構をめぐる議論で、運営委員会を米国で開いたと機構側が説明すると「電話会
議でいいんじゃないか」「会議の場所など細かい話だ」と「場外」のサイト上でも意見が闘わされた。
「ユーストリーム」を運営するTVバンクは、デジタルメディアマート(DMM)と共同でカメラ計4台を
設置した。ツイッター上で視聴者から「画面上のテロップが見えにくい」と意見が出ると、数分後には会場の
中継担当者が、要望に応えてテロップの位置を見やすい位置に変えた。「テレビってますますいらない媒体に
なってきた」とツイッターに書き込む人も。
※続きます。
asahi.com 2010年4月23日22時43分
http://www.asahi.com/politics/update/0423/TKY201004230477.html ▽事業仕分けの会場では、新聞やテレビの取材のほか、動画サイトのスタッフの姿も見られた(画像)
http://www.asahicom.jp/politics/update/0423/images/TKY201004230479.jpg ※続きです。
会場には個人で情報発信するネットユーザーもいた。ジャーナリストの津田大介さんは傍聴席で、ひざの
上にパソコンを置き、1〜10分ごとに「仕分けスタート」「民間に任せるべきだとの指摘」と、ツイッターに
仕分け作業のやりとりを書き込んだ。
ツイッター上では午後0時50分ごろ、「仕分け」をめぐる書き込みが殺到。「みんなの書き込みが読み
きれない」と悲鳴もあがった。
ジャーナリストの藤代裕之さん(37)は電車で移動中にパソコンで仕分けを見た。ネットで一度に数万人が
視聴したことに「東京ドームの真ん中で仕分け作業をやっているようなもの。ネットの力を感じる」。
大学構内から中継を見たのは、慶応大大学院1年の吉井文学さん(23)。「議論が分散してる」とツイッ
ター上に書き込んだ。「第1弾の議論をテレビで見たらおもしろかった。でも今回ネットで見たら、冗長な
議論が多く、論点がわかりづらくてつまらなかった」
視聴者の議論が盛り上がることについて、駒沢大学グローバル・メディア・スタディーズ学部の山口浩・
准教授は「みんなでわいわいと議論し、問題を一緒に考え決めていくことは、政治を『私たち自身のこと』と
再認識するきっかけになるのではないか。マスメディアによる『編集』の意味を検証・評価できる機会が
生まれ、国民にとってもメリットになる」と評価する。
【政府が中継を委託した5社のサイト】
◆ニコニコ生放送
◆Stickam JAPAN(スティッカム・ジャパン)
◆Ustream(ユーストリーム)
◆ShareCast
◆DMM.com
※URLはソースでご確認ください。
asahi.com 2010年4月23日22時43分
http://www.asahi.com/politics/update/0423/TKY201004230477.html