・「このままでは日本は破綻する」−。債券市場で「伝説のディーラー」と呼ばれ、米銀東京支店長も
務めた藤巻健史氏(59)はこう警鐘を鳴らす。日経平均株価はリーマン・ショック時に付けた
7000円を大きく割り込み、円もたたき売られて1ドル=200円台に暴落するという。投資家には
「米国株などに分散投資した方がいい」とアドバイスする。
201X年、月初に行われる10年国債の入札。政府が財政再建への道筋をつけられず、借金だけが
膨らんでいく状況に、市場では「財政破綻」への不安が強まっていた。そしてついに、金融機関
などからの国債の応札が国の売り出し量を大幅に下回る事態を招く。
買い手がほとんどいなくなった日本国債は債券市場で暴落し、金利は急上昇。日本という国の
信頼が大きく損なわれたことを受けて、通貨である円も暴落、1ドル=200円台まで円安が進んだ。
当然、日本株も売り浴びせられ、2008年秋のリーマン・ショックよりもひどい状況に陥った。
円、日本株、国債のトリプル暴落が続き、国内経済は真っ暗闇に。
「国内では企業が相次いで倒産し、街は失業者であふれ返る。年金は実質ゼロになり、社会
インフラも維持できないような惨状に見舞われる」と藤巻氏。
さらに「政府は非常事態に対応するため、日銀に国債を直接引き受けさせ、危機回避を
図ろうとする。その結果、紙幣が市中にあふれ返る、ハイパーインフレを引き起こしてしまう」という。
想像を絶する物価上昇により、タクシー料金は1メーター=100万円をうかがうような事態になる。
1000万円の預金があっても、タクシーに何回か乗ったら吹き飛んでしまう。老後のためコツコツと
ためてきた個人の金融資産は事実上、霧消してしまう。
これが、藤巻氏が描く最悪シナリオだ。現在、株価は上昇基調にあり、企業業績も回復傾向が
鮮明になっている。こうしたシナリオはにわかには信じ難いが、現実味を増しているという。(
>>2-10につづく)
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20100420/dms1004201618006-n2.htm ※前:
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1271839755/ (
>>1のつづき)
債券市場で「伝説のディーラー」として鳴らした藤巻氏は現在、投資アドバイザー業務をしながら、
自らの資金も運用。昨年末からは日本株投資をやめた。「日本破綻」を警戒してのことだ。
「11年3月末の段階で国の累積赤字は975兆円に膨れあがる。毎年10兆円ずつ返しても
100年かかる計算だ。日本の税収が37兆円に落ち込み、その10兆円の捻出すら難しい。
どう考えたって返済は不可能だ」
また、09年度の法人税収が5兆〜6兆円に落ち込むとみられるなか、11年度からは子ども手当の
満額支給が待っている。
「子ども手当の満額支給には09年度の法人税収に相当する5.5兆円の財源が必要。これでは
財政が持つわけがない」
このままいけば、日本がたどる道は2つ。
「おできがぱんぱんに膨れあがり、膿が飛び出しそうな状態になっているのが財政の現状。
なのに政府は借金を重ね、さらに膿がたまる。膿が毒になって敗血症で死んでしまうか、
おできを針で突いて膿を出すかのどちらか」
藤巻氏は主導力のない政権の現状から、市場が針を突く役目を担うとみている。その先に
待っているものが、前述の最悪のシナリオである。
エコノミストのなかには「日本には1500兆円近い個人金融資産があるから、国債の消化に
問題はない」との論調を唱える向きもある。しかし藤巻氏はこうした見方を切って捨てる。
「国の借金と個人の資産はまったく別の勘定。この論調は意味をなさない」
気になるのは、政府が郵便貯金の預け入れ限度額引き上げに走っていること。郵貯マネーの
8割は日本国債で運用されており、限度額引き上げで膨れあがる資金は、国債購入に
充てられる可能性が高い。
最後に投資家はどうすればいいのか聞いてみたところ、こんな答えが返ってきた。
「もうけようとするのでなく、ハイパーインフレが起きても自分の財産を守れるよう分散投資
することです。米国株なら金融が中心、日本株なら円安効果で輸出関連銘柄への投資がいい。
日本でも米国株が直接買えることを知って、うまく対応してもらいたい」(以上、抜粋)