・バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は前年の就任直後から日本を重視する姿勢を示した。
オバマ政権がホワイトハウス(White House)に招いた最初の外国首脳は当時の日本の首相
だったし、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)国務長官は最初の外遊先に、このアジアの
同盟国を選んだ。
わずか1年でなんという変わりようだろうか。
核安全保障サミット出席のため前週ワシントンD.C.(Washington D.C.)を訪問した鳩山由紀夫
(Yukio Hatoyama)首相がオバマ大統領と顔を合わせたのは晩さん会の10分間だけ。
それも他の首脳が会議の前に食事を楽しんでいる間のことだ。
外交筋によると、この会談のほとんどは、鳩山首相が米軍普天間飛行場(Marine Corps
Air Station Futenma、MCAS Futenma)の移設問題について、まだ決断を下そうとしている
最中だとオバマ大統領に伝えることに費やされたという。
表向き米当局者は鳩山首相のアイデアを検討したいと語っているが、個人的に話を聞くと、
日本が普天間移設問題で具体的な提案を何一つ持ってこないといらだちを示す人が多い。
半世紀の歴史を持つ日米同盟を支持する人でさえ、日米の緊張が目に見えて高まっていると
警鐘を鳴らしている。核安全保障は日本にとって関心が深い問題であるうえに、
オバマ大統領が中国の胡錦涛(Hu Jintao)国家主席ら13人の首脳と個別に会談したにも
かかわらず日米が首脳会談をセッティングできなかったのは「本当にショックだった」と、
米日財団(United States-Japan Foundation)のジョージ・パッカード(George Packard)
理事長は語る。
米上院外交委員会のジム・ウェッブ(Jim Webb)アジア太平洋問題小委員長(バージニア
(Virginia)州選出・民主党)は、台頭する中国に注目が集まるのは理解できるが、「日米関係は
産児制限のようなものだ。適切な注意を怠ると、事故が起きる可能性が高まる」というたとえ話を
出して、日米同盟の重要性を強調し続ける必要があると指摘した。(
>>2-10につづく)
http://www.afpbb.com/article/politics/2719341/5635981