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★新核戦略に被爆者ら一定評価 '10/4/7
オバマ米政権が発表した新しい核戦略指針「核体制の見直し(NPR)」について、
広島の被爆者らは7日、「一歩前進だ」と前向きに評価した。
半面、核兵器廃絶を確実にするには物足りなさも残るとの注文も相次いだ。
広島県被団協の坪井直理事長(84)は、核拡散防止条約(NPT)を遵守する非核国には
核兵器による報復攻撃しないと明記し、新型核の開発停止を表明したことを
「廃絶に向けた道が開かれ、喜んでいる」と歓迎する。
一方、先制不使用宣言が見送られた点などには「われわれが望むのは核軍縮ではない。
核兵器廃絶だ」とくぎを刺した。
もう一つの県被団協の金子一士理事長(84)も「第一歩を踏み出した」と一定の評価をしながらも
「基本的には核抑止の考えを維持している。核兵器廃絶については相当困難なことを意味している」と指摘する。
NPRは北朝鮮やイランなどに核兵器を使う余地も残した。
被爆体験の証言活動をしている細川浩史さん(82)=中区=は
「ある国には核兵器を使わず、別の国には使う可能性があるというのは、核大国のおごりと映る。
人間の存在そのものを否定する核兵器の廃絶に向け、もっと明確なメッセージを発してほしい」と注文した。
中國新聞
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201004070183.html