北朝鮮から韓国に亡命し、来日中の黄(ファン)長●(=火へんに華)(ジャンヨプ)
元朝鮮労働党書記が5日夕、都内の宿泊先で、横田めぐみさん=拉致当時(13)=の
母、早紀江さん(74)ら日本人拉致被害者の家族会メンバーらと懇談した。黄氏は
「ともに闘いましょう」と日本語で家族を励ましたが、拉致被害者の新たな情報に関する
発言はなかった。
黄氏は冒頭、「自分は40年近く党の指導理論を管理してきて、それ以外のことを
知ろうとしなかった。責任を感じ、反省している」とした上で、拉致事件解決について
「協力することは義務であり、道徳的任務だ」と述べた。
黄氏は家族会との懇談に先立ち、中井洽(ひろし)拉致担当相ら国会議員と面会。
「日本人拉致はよど号犯の妻にしたり、日本語を教えさせるためと聞いたことある」とし、
帰国できない人がいるなら「重要なことや秘密の仕事をさせられていたのだろう」との
推測を語っていた。
この点について早紀江さんが「どうすれば取り戻せるか」と尋ねたのに対して黄氏は
「拉致以外の(金正日総書記の)非民主的な点と合わせて追及し、脅威を感じさせるべきで、
大きな枠組みで追及することが大事だ」と強調したという。
来日前の米ワシントンでの講演で、日本人拉致被害者が「通訳として使われていたことは
知っていた」と言及した点については「聞いた話で、実際に見たこともない。(金総書記に)
専門の料理人がいることも知らなかった」と答えた。
懇談後、増元るみ子さん=同(24)=の弟で同会事務局長の照明さんは「黄氏の方法だと、
早期に拉致問題が解決するか疑問に思える部分があった」と話した。
▽産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/100405/kor1004052227003-n1.htm