【論説】 「『在日韓国人は自ら日本に来たから強制連行じゃない』?…植民地支配で経済崩壊して仕方なく来たんだから強制だ!」…金教授

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1☆ばぐた☆ ◆JSGFLSFOXQ @☆ばぐ太☆φ ★
・永住外国人に地方参政権を付与する法案はけっきょく日の目を見ませんでしたが、それに
 関連して一言いっておきたいことがあります。
 宮台真司氏のブログからの一部を引用します。

>■外国人参政権を考える上で、在日韓国・朝鮮人とそれ以外を分ける必要があります。在日韓国・
>朝鮮人以外の永住外国人は、'90年の入国管理法改正(永住権のない外国人を柔軟に受け
>入れることを目的として「定住者」という新しい在留資格を創設するなどした。これで日系外国人の
>在留が激増)大量に入国した日系人が中心です。
>■在日韓国・朝鮮人については国籍取得が容易なので、参政権を求めるのであれば国籍を
>変えていただきたい。帰化をすればエスニック・アイデンティティに瑕がつくとの反論もありますが、
>国籍とエスニック・アイデンティティを分けて考えるのが国際標準なのです。

 シッタカブリというか、なんというか...。初めてこれを読んだときは呆れて物もいえなかったけど、
 その後、TBSラジオの「アクセス」でも、在特会レベルのご高説を自信たっぷりに開陳していた
 ようですね(2月16日)。ヘイト・スピーチといっても過言ではない内容です。

>特別永住者の方々が最初は2世までという約束で基本的には国籍を取っていないのに日本人に
>準じる権利を様々に与えられというのは、ご存知のように在日の方々の多くが強制連行で連れて
>こられたという左翼が噴き上げた神話が背景にあるんです。在日のなかで強制連行されてきた方
>というのはごく一部で、大半は一旗上げにやってきた人達なんですよ。ただ、区別がつかないから、
>あるいは戦争に負けて罪の意識というか原罪感覚というのがあったのでしょうか、まぁ、色んな人が
>混ざっちゃっているけど、しょうがないということで分かってやっている感じで特別永住の方々に
>対する特権の付与をやってきたわけです。
>1世、2世とは違ってエスニックリソースを頼らず、日本人のネットワークをそれなりに頼っている
>人間が増えたのに、まだ4世、5世にも特権を与えるのが続いているのはおかしいし
>>2-10につづく)
 http://news.livedoor.com/article/detail/4684737/
2☆ばぐた☆ ◆JSGFLSFOXQ @☆ばぐ太☆φ ★:2010/03/29(月) 11:24:39 ID:???0
>>1のつづき)
 ここらできっちり訂正する努力はしておくべきでしょう。

1.平然とデマを流布する傲慢
 まず基本的な歴史の問題として、「特別永住者の方々が最初は2世までという約束で基本的には
 国籍を取っていないのに日本人に準じる権利を様々に与えられ」たという事実はない。これは
 おそらく、「91年問題」をご都合主義的に曲解しているのであろう。
 1965年に締結された日韓条約において、「協定三世」(実質的には在日4世以降にあたる)の
 滞在地位は、協定発行後25年(1991年)までに協議を行うとだけ定められた。これは日韓両政府が、
 戦後半世紀近くもたてば同化の進展により在日問題は《消失》している可能性があると期待
 していたことによる。いわば、在日韓国人は日韓両政府から保護の責務を放棄されたわけで
 あって、けっして、「2世までという約束で......日本人に準じる権利を様々に与えられ」たわけでは
 ないのである。
 その証拠に、日韓条約締結後も、在日コリアンに対するさまざまな差別は温存された。
 1965年といえば、法務省の池上努氏が在日外国人を評して「権利はない」「追い出すことはできる」
 「煮て食おうが焼いて食おうが自由」だと表現した年である。いくつかの例外的な措置を除けば、
 外国籍者に基本的人権すらも認められていなかった時代の話だ。

2.歴史問題を矮小化する傲慢
 宮台氏は「在日のなかで強制連行されてきた方というのはごく一部で、大半は一旗上げに
 やってきた人達なんですよ」という。
 なるほど、それは《ウソ》とは言い切れない。いわゆる強制連行で日本に渡ってきた在日一世の
 男性は2割程度だと推定されている。逆に言えば、8割は出稼ぎだ。したがって、ミクロな次元では
 「一旗上げに」海を渡ったケースも当然多かったろう。
 だが、日本が朝鮮半島を植民地支配した36年の間に、朝鮮半島からは膨大な人口が半島外に
 流出した。植民地支配のプロセスで、伝統的な社会秩序と経済基盤が崩壊したためである。
 そうしたマクロな社会状況に言及することなく、ミクロな次元でのみ捉えようとするのは公正な
 視点とはいえない。社会学では、マクロな社会状況の影響で生じた社会移動を「強制移動」と呼ぶ。
>>3-10につづく)
3名無しさん@十周年:2010/03/29(月) 11:24:41 ID:d8TJV2cw0
( ´,_ゝ`)プッ
4☆ばぐた☆ ◆JSGFLSFOXQ @☆ばぐ太☆φ ★:2010/03/29(月) 11:25:18 ID:???0
>>2のつづき)
3.マイノリティの生き方を決め付ける傲慢
 ぼくはかつて、「在日コリアンに地方参政権の門戸を開くかどうかというのは《日本人の問題》だ」と
 書いた(外国人の地方参政権 #1)。すなわち、日本で生まれ育ったにもかかわらず意思決定に
 参加できない者がいるということを不正義だとみなすか、それとも、「ガイコクジン」だから仕方が
 ないと排除するか、それを責任を持って決めるのは日本人の課題だということだ。
 議論のうえで、やはり外国人には意思決定に参加させられないというのなら、(参政権が
 認められないことではなく隣人として受け入れられなかったことが)たいへん残念ではあるが、
 一つの結論として重く受け止めよう。
 だが、「参政権を求めるのであれば国籍を変えていただきたい」などと、マジョリティの知識人が、
 マイノリティの生き方に口を挟む暴力を、ぼくは許すことができない。

 宮台氏はこうもいったらしい。「日本人のネットワークをそれなりに頼っている人間が増えたのに、
 まだ4世、5世にも特権を与えるのが続いているのはおかしい」。
 なるほど、「おかしい」だろう。「3世以降になっても外国籍のままであるのはそれ自体が
 人権侵害である」との主張により国籍法を改正した国もあるほどだ。それを、外国籍のまま
 放置した旧宗主国の責任を問わず、一方的に「在日特権」呼ばわりするとは、宮台氏の認識こそ
 「おかしい」のではないか?

4.「国際標準」を語る愚かさ
 確かに、国籍とエスニック・アイデンティティが独立しているケースは少なくない。出生地主義の
 国籍法を持っている国では概してそういう傾向がある。だが、国籍が移民のエスニック・
 アイデンティティに重要な役割を果たしているケースも少なくはない。「世界標準」などと
 乱暴に一般化できるようなものではないのである。

5.簡単ならやってみるがいい
 日本国籍を取得した在日コリアンの知人もいるが、「容易だ」などという人にはお目にかかったことがない。
 そんなに「容易」だと思うなら、宮台氏自身がやってみればいい。一度、日本の国籍を離脱した上で、
 再度、日本国籍を取得してみなさい。(以上、抜粋)

■金明秀 社会学者。関西学院大学社会学部准教授。