【社会】地下鉄サリン事件の証言映像を上映 発生15年を迎えるのを前に被害者の会が集会

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1春デブリφ ★
 13人が死亡し、6千人を超える人が負傷した1995年3月20日発生の地下鉄サ
リン事件。15年を迎えるのを前に「被害者の会」が13日に東京都内で開いた集会
で、被害者や捜査関係者11人の証言をまとめた映像が上映された。取材したのは会の
代表世話人を務める高橋シズヱさん。約300人の参加者は、映像を通じて、事件が残
したものと改めて向き合った。

 「小伝馬町駅を上がって間もなくせきこんで苦しくなって、晴れていたはずなのに暗
くて、地球がどうかなっちゃったんじゃないかと思った」(被害者の大上雅子さん)
 大上さんたち被害者や家族が事件の影響が消えない生活を語り、医師やジャーナリス
トが事件を振り返る映像が、会場に大きく映された。

 当時の警察庁長官、国松孝次さんは証言で、オウム真理教が3月22日の教団への強
制捜査を前に捜査かくらん作戦に出るらしいと情報を得ながら、事件を防げなかった無
念さを率直に語った。
 「オウム真理教の事件の捜査には、非常に反省点が多い。地下鉄サリン事件の被害者
の方たちに対して、警察としては一言もない」。89年に教団に殺害されていたことが
後で判明した坂本弁護士一家の事件にも言及し、「坂本事件がなぜわからなかったの
か。どうにも答えられない」と話した。

 元検事総長の但木敬一さんは証言映像だけでなく、会場でもあいさつ。「事件は国民
と被害者の距離を圧倒的に近くした」と述べた。
 終了後に記者会見した高橋さんは、国松さんの「被害者には一言もない」という言葉
について、「これで新たな一歩が踏み出せる。貴重な教訓がこれからの社会に生かされ
るなら、私たちのつらさは軽減される」と話した。

■ソース(朝日新聞)(編集委員・河原理子)
http://www.asahi.com/national/update/0313/TKY201003130358.html