病院や百貨店、飲食店、ホテルなど多くの人々が利用する公共的場所は原則、「全面禁煙」に
することを求める通知を、厚生労働省が全国の自治体に出した。
罰則はなく努力目標の意味合いも強いが、他人のたばこの煙を吸う「受動喫煙」の
害を減らす有効な策と評価したい。
日本は平成15年、受動喫煙防止を掲げた「健康増進法」を施行し、翌年には世界保健機関(WHO)の
たばこ規制枠組条約を批准した。19年には、「100%禁煙以外の措置は不完全」との
指針も採択している。
公共的な場所での全面喫煙禁止は、学校や官公庁、病院、金融機関などではかなり進んでいる。
問題はたばこを吸う人が多く訪れるレストランや居酒屋、パチンコ店などでの対応だ。
今回の通知でも罰則は盛り込まれておらず、全面禁煙への対応はそれぞれの施設に委ねられている。
しかし趣旨としては、これまで禁煙フロアや禁煙ルームを設けて「分煙」を進めてきた施設にも
さらに進んで、「全面禁煙」への取り組みが求められる。
だが、居酒屋やパチンコ店などでは「客が来なくなる」と反発も大きい。通知もこの点を配慮し、
「当面の間、喫煙可能区域を設定する」と猶予期間を設けた。
こうした猶予を利用しつつも、施設側はポスター掲示など客に協力を呼びかける努力を積極的に
行ってゆくべきだ。喫煙者も最低限のマナーとして、多くの人が集まる場では全面禁煙も
やむを得ないことを理解し、協力しなければならない。
*+*+ 産経ニュース 2010/02/28[07:07:38] +*+*
http://sankei.jp.msn.com/life/body/100228/bdy1002280252000-n1.htm