【海外】インドネシアの少数民族語をハングル表記…文字のない少数民族 突然のハングル流入に政府は不快感

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【バウバウ(インドネシア・ブトン島)井田純】インドネシア東部の少数民族チアチア族が、
文字のなかった民族語の表記にハングルを採用、昨年から小学校で授業に取り入れるなど
普及を進めている。地元には、これを機に韓国との結びつきを深め、経済振興につなげる
狙いもある。しかし、インドネシア政府内には「ハングルはインドネシア文化になじまない」と、
突然のハングル流入を警戒する声も出ている。

◇投資も期待、政府は不快感

「私は友達と学校に行きます」「私たちはチアチア語を勉強します」。ブトン島南部に
位置するバウバウ市郊外のカルヤバル小学校。アビディン教諭が文章を白板に書くと、
4年生の児童たちが大きな声で読んでいく。文字はハングルだが、言語は韓国語と全く異なる
チアチア語。ラフミン君(11)は「ハングルはすぐに覚えられた。面白いから家でも
勉強している」と話し、教科書に書いたハングル表記の自分の名前をうれしそうに指さす。

ハングル採用のきっかけは、05年にバウバウ市で開かれた国際会議。市によると、
会議に参加した韓国の言語学者がブトン島に文字のない言語が多いことに着目。ハングル普及を
目指す団体「訓民正音学会」が、文字を持たないチアチア語の表記にハングルを
使用することを提案した。市が昨年、正式に採用を発表し、半年前からこの小学校で
ハングルによるチアチア語の授業が始まった。

アビディン教諭によると、チアチア語には、英語などで用いるラテン文字では
表しにくい激音(破裂音とともに息を激しく出す子音)があるが、ハングルなら
そのまま表記が可能。また、ハングルにないf、v、zの発音が
チアチア語にもないといった共通点があるという。

イカソース
http://mainichi.jp/select/today/news/20100220k0000e030050000c.html