葬儀を無宗教で行う「現代葬」や、参列者を身内など少人数に絞って簡素化する「家族葬」が仙台圏でも広まり
つつある。本人が生前に要望を伝え、段取りを打ち合わせるケースも増えてきた。葬儀もお仕着せではなく、
自分らしさを演出する時代になりつつある。
仙台市内の老人ホームに住む70代の女性は3年前、自らの葬儀を生前予約した。子どもはなく、夫も先立った
ため、公証人役場で遺言書を作り、親類への財産分与にもめどを付けた。ささやかな仏教葬を望み、参列者もリスト
アップしたうえで「祭壇は華やかに、たくさんの花で飾ってほしい」と注文している。
<自由な形態に>
「近年、ご本人が事前に相談に訪れるケースが増え、全体の4割ほどになった」と話すのは、この女性が契約した
葬儀社ごんきや(仙台市)の五十嵐守人営業課長(46)。葬儀に関心を持つ人が増えたことで、ピアノや楽器を
演奏する音楽葬や、住職を招かず宗教色を排した立食パーティー形式にするなど、従来のしきたりにとらわれない
自由な形態が増えてきた。
通常は菊を飾る祭壇をバラにしたり、趣味のオートバイや魚拓を展示したり、フラダンスの仲間が式の合間に
衣装を着て踊ったりと、内容が多彩になっているという。
仙台市内には現在約35の葬祭会館があり、数十人から数百人規模のホールを備え、さまざまなニーズに応える。
マンション住まいも多い仙台圏では、自宅や寺ではなく、会館葬の需要が伸びており、全体の7割以上が利用して
いるとみられる。
同市内に「清月記」の名称で七つの斎場を持つすがわら葬儀社(同)は毎月、見学会を開催している。同社の
越前善晋さん(36)は「直営の斎場は多様な葬儀をプロデュースできるのが強みで、入念な準備があれば、
満足度も高まるはず。急な葬儀に直面して戸惑わないよう、ふだんから関心を持ってほしい」と営業に力を入れる。
※続きます。
河北新報 2010年02月19日金曜日
http://www.kahoku.co.jp/news/2010/02/20100219t15039.htm ▽葬儀各社は施設見学会や会員制を設け、顧客の囲い込みに力を入れる(画像)
http://www.kahoku.co.jp/img/news/2010/20100219013jd.jpg