★【外信コラム】ポトマック通信 「ビリーブ・ミー」
「Believe me. Toyota’s car is safety
(信じてほしい トヨタの車は安全です)」。愛車「カムリ」を運転中、ラジオから
日本人がしゃべる英語が流れてきた。トヨタ自動車の大量リコール問題で豊田章男社長が
5日行った会見の一幕だった。
「この人の英語は変だよ」。後部座席の子供たちが口をそろえた。「『Safety』
じゃなくって『Safe』でしょ」。文法の間違いはさておき、興味深かったのは、
9歳の息子の感想だった。
「ビリーブ・ミーは、子供が大人に怒られたときよく言うよ。『うそじゃない。僕はやっていない』って。
でも、豊田さんはあやまったんでしょ。だったら、おかしいと思う」
豊田社長のおわびの言葉は、米メディアに繰り返し引用されている。企業のトップが頭を下げるのは、
日本ではおなじみの光景だが、「ビリーブ・ミー」は少々感情的に響く。
トヨタは、すでに米国に深く浸透した多国籍企業で、日本企業という感覚は近年薄れつつあった。
だが、「リコール問題のトヨタのやり方はいかにも日本式だ」と消費者調査誌の編集者は語る。
豊田社長の訪米が取りざたされている。信頼回復の機会だが、言葉には気をつけたほうがいい。
オバマ大統領に「トラスト・ミー(信用して)」といって約束を破り、信頼を失った鳩山由紀夫首相の例もある。
http://sankei.jp.msn.com/world/america/100219/amr1002190313002-n1.htm