【社会】止まらぬ暴力、シー・シェパードの実態…身の危険に晒される調査捕鯨船の船員ら、動かぬ政府

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2 ◆SCHearTCPU @胸のときめき▲φ ★
「なぜ、あのとき逮捕しなかったのか」。公海上でも日本船への不法侵入者は日本の法律が適用されるため、
逮捕もできた。批判は高まり、日本側は少しずつ対SS強硬策にかじを切り始めた。
政権交代を果たした
民主党は昨年末になって、捕鯨や船舶関係者からSS問題などについて意見を聴く議員協議会を開いた。
その場で、全日本海員組合の近英男(こん・ひでお)水産部長が、大きな声を張り上げた。
「国民がテロに近い暴力にさらされ、生命の危機を感じているのに、助けようとしない政府がどこにあるのか」
返す言葉もなく押し黙る議員たち。「政治に、なんとかしてもらいたい」。多くの出席者から不満が漏れた。
SSの公海上での暴力行為に対して、日本の現行法制は逮捕など取り締まりを認めていない。
国連海洋法条約は、海賊ならば公海上でも逮捕を認めているが、政府は「海賊とはいえない」との外務省の
見解を採用している。環境保護を主張するSSは、略奪目的の「海賊」ではないという解釈だ。
これに対して農水省は逮捕を可能にする法整備を求めてきた。昨年3月には石破茂前農水相が「SSは海賊と
同じだ」として、ソマリア沖の海賊を取り締まる海賊対処法を適用するよう求め、それが拒否されるとSSを
対象にした新たな新法制定を求め、水面下で法案の骨子まで作成した。
しかし、それも政権交代によって、握りつぶされた形になっている。今の政府の大勢は法整備に冷ややかだ。
「ただ、船員の安全を守ってほしい、それだけなのに…」
近部長はそう話す。多くの調査捕鯨関係者らの気持ちだ。

SSの暴力を野放しにすることで、重大な人的被害を受ける可能性は強まる。
そのときまで問題を放置していいのか。日本の調査捕鯨船団はいまもSSの脅威に
さらされながら、南極海で航海を続けている。