小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体の政治資金規正法違反事件で小沢氏本人は不起訴処分となり、
同氏の進退をめぐる党内の緊張はひとまず緩んだ。しかし、有権者が抱いた負のイメージを振り払うのは容易でない。
夏の参院選の行方が危ぶまれる状況になれば、進退問題が再燃する可能性がある。
「ここで民主党がつまずいたらどうなるか。米国からも中国からも日本は相手にされなくなる。
あと2、3回、予算を民主党の手でつくらせてほしい」。輿石東参院議員会長は6日、
山梨県山梨市で講演し、鳩山政権への支持継続を訴えた。
輿石氏をはじめとする親小沢派は、事件に伴う混乱に幕を引こうと懸命だ。当初相次いだ検察批判も、
小沢氏や周辺からは聞かれない。事件を蒸し返すような言動は控えるのが得策との判断があるようだ。
一方、「自浄能力の発揮」を唱えていた前原誠司国土交通相は同日、奈良市での県連大会であいさつしたが、
事件に直接言及せず、「さまざまな問題で心配を掛けている」と述べるにとどめた。
不起訴を受け、小沢氏に距離を置く有力議員はいったん矛を収めた。とはいえ、有権者の離反を懸念する声は少なくない。
中堅の一人は「不起訴でも世間は小沢氏に不信感を抱いている」と指摘する。
実際、土地購入原資に関する小沢氏の説明は二転三転しており、自民党は同氏の証人喚問要求を一層強める構えだ。
民主党は喚問拒否の方針だが、小沢氏が十分な説明責任を果たさなければ、
内閣支持率ばかりか党の支持率が低下することもあり得る。
小沢氏の進退に関し、党内には「与党の責任があるから2010年度予算案成立まで党内は落ち着くだろうが、
参院選前にヤマが来る」(若手)との見方がくすぶる。
「今度も小沢君は世論をしっかり聞いて、ある時期に、やっぱり立派な政治家だと言われる決断をしてくれると信じている」。
渡部恒三元衆院副議長は同日、TBSの番組収録でこう発言。
小沢氏が昨年、西松建設の違法献金事件で党代表を辞任したのと同様、
今回も身を引くことに期待をにじませた。(2010/02/06-20:18)
民主、くすぶる党内対立=予算成立後に再燃も−小沢氏進退
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010020600330&j1