警官発砲死:遺族の請求棄却、未必の殺意認める 奈良地裁
奈良県大和郡山市で03年9月、警察官が窃盗容疑で追跡中の乗用車に拳銃8発を発砲、うち2発が命中した高壮日さん(当時28歳)が死亡した事件を巡り、
高さんの遺族が発砲は違法だとして県と警察官4人に計約1億1700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、奈良地裁であった。
宮本初美裁判長は正当防衛を認め、請求を棄却した。一方で、警察官の未必の殺意を認めた。
訴えたのは母親の金順得さん(72)=東大阪市。
宮本裁判長は「警察官や一般市民に危害が加えられかねない切迫した状況にあった」としたが、「8発すべてが至近距離からで、人を殺害する可能性があること
を認識していた」と認めた。弁護団によると、警察官の発砲を巡る訴訟で、未必の殺意が認められるのは異例という。金さん側は控訴する方針。
判決によると、03年9月10日午後6時45分ごろ、同県大和郡山市下三橋町の国道24号交差点で、同県橿原市から一般車両と衝突しながら逃走した乗用車に
向け、警察官3人が拳銃を計8発発砲。助手席にいた高さんに2発が命中、高さんは同年10月5日に死亡した。
【高瀬浩平、大森治幸】
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