・「政治とカネ」のいかがわしさ、説明が尽くされぬまま置き去りにされる国民。いつか見た政治の風景に、政権交代に
変革を託した有権者の視線は厳しさを増している。
続投を表明した小沢氏に「どうぞ戦ってください」と応じた鳩山首相。横浜市泉区の不動産業を営む男性(45)は
違和感と同時に既視感を覚えた。「かつて言いたい放題だった小泉元首相を思い出す。鳩山さんも数の力が
強気の背景なのだろうが、有権者との温度差は出始めている。すっかり『与党ボケ』してしまった」
同市南区の喫茶店経営の男性(52)のまなざしはもっと冷ややか。「小沢さんがいないと党もまとめられないし、
選挙にも勝てない。だから切れないのだろう」。国民不在の永田町の論理もまた、繰り返されてきた政治の風景だった。
「政治の空白が心配。景気回復がまた遠のく」。自動車工場で働いていた元派遣従業員の男性(55)=同市泉区=は
ため息をつく。18日から始まる通常国会の予算審議は紛糾が必至だからだ。
「国民目線の政治」―。民主党が掲げたスローガンに新しい政治が始まる気がして、総選挙では民主党に投票した。
だが、首相と与党幹事長で相次ぐ政治とカネの問題。「それも億単位。こちらは100円、200円で一日を
過ごしているのに」
職業訓練校でパソコン操作の勉強に励むが、再就職の見通しは立たない。「首相と幹事長がこの体たらくでは
経済にも影響がおよび、国際的な信用にもかかわる。民主党議員には政権維持への危機感があるのだろうが、
これは日本の危機。そういう意識をどれだけ持っているのか」と語気を強めた。
就職活動真っ最中の相模原市の女子大学生(21)も「雇用対策など、この政権がやるべきことはたくさんあるはず」。
昨夏、初めて投じた一票が事業仕分けなど新しい潮流につながった実感がある。それだけに小沢氏には説明責任を
果たし、旧態依然の政治との決別を求める気持ちは強い。「まだ失望より期待が強い。自民党が信頼を取り戻すような
ことをしたわけじゃない。小沢さん以外に、まとめる人が出てきてくれれば」(一部略)
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1001180008/