主党の小沢一郎幹事長が党大会で、自らの資金管理団体の土地購入をめぐる事件で、
検察との対決を宣言した。潔白というなら対決するのも結構だが、何より国民のことを
忘れてもらっては困る。
民主党にとっては昨年の政権交代後、初めて開く党大会だった。
本来なら達成感や高揚感に満たされるはずだが、大会前日に党所属の石川知裕衆院議員らが
逮捕されたことを受け、緊張感が漂う。
あいさつに立った小沢氏は「大会に合わせたかのように逮捕が行われ、とうてい容認できない。
断固として(捜査当局と)戦っていく決意だ」と検察批判を展開した。
党大会での幹事長発言は通常、党の活動報告や予算・決算、活動方針案の説明であり、
検察との対決宣言は極めて異例で、異様だ。
鳩山由紀夫首相は党大会前、小沢氏に「どうぞ戦ってください」と支持する考えを伝えた、という。
小沢氏が潔白で、疑惑を解きたいなら、あらゆる機会を通じて、堂々と国民に説明すればいい。
記者会見の場を設けたり、不当な疑惑を受けたと言うなら、国会の政治倫理審査会に
審査を申し出るのが筋だ。
説明が正当で、十分に納得のいくものなら、国民は小沢氏を支持し、批判の矛先を
検察の捜査方法に向けるだろう。
しかし、肝に銘じてほしいことがある。国民が衆院選で、民主党に託したのは
何かということだ。
それは、長く続いた自民党政権で疲弊した国民生活の立て直しであり、検察との
対決のために多数を与えたわけではない。
*+*+ 東京新聞 2010/01/17[09:25:06] +*+*
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2010011702000060.html