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>>1のつづき)
西松建設事件の捜査で特捜部は昨年3月、東京・赤坂の小沢氏の個人事務所からパソコンデータを押収した。
ゼネコンと下請け業者からの献金状況がグループ別に管理され、鹿島など8社からの寄付やパーティー券収入の
合計額は00〜06年で約6億円に上っていた。大半は小沢氏の資金管理団体「陸山会」に移され、収入源の中心を
なしていた。
準大手ゼネコンで小沢事務所を担当する幹部はため息をついた。「パーティー券を50枚も買わせて『何月何日の
券が1枚分未納』と言ってくる。日本で一番怖い」。なぜ資金を提供するのか、との問いには、こう答えた。「やくざに
殴られたことなくても怖いよね。失礼だけどそんな感じ。『場所代出せ』と言われたら出す。そうしないと邪魔される。
1社残らずやってる。出さないとうちだけ外されるかもしれない」
岩手県内の建設業者は小沢事務所の選挙についてこう証言した。「『小沢選挙』は人件費がかからない。全部、
建設業者のボランティア」。業界が元気なころには50〜60社で1社平均2人、受注できたところは3人が選挙事務所を
手伝った。「担当セクションが皆さんプロ化してるから決まってるんです。組織部とか遊説部とか。そこの長は、下手な
秘書より精通してる」
接待で秋波を送る業者もあった。「オーさんは仕事で大事な方。失礼のないように」。東京・向島の高級料亭で、
そう芸者に耳打ちしたのは中堅ゼネコン「水谷建設」(三重県桑名市)の幹部。「オーさん」は大久保秘書のことだ。
店の関係者は「2人はいつも数十分間、人払いして密談した後、芸者を呼んでいた」。胆沢ダムの下請け工事受注の
謝礼として小沢氏側に04〜05年、計1億円を渡したとの水谷建設側の供述が、捜査の焦点となっている。(以上、一部略)