民主党の小沢一郎幹事長は16日の党大会で政治資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐる
事件に関し、幹事長職の続投を表明した。東京地検特捜部が私設秘書だった石川知裕衆院議員らを
政治資金規正法違反容疑で逮捕したことに小沢氏は「断固として戦う決意だ」と検察当局との
全面対決を宣言するという異例の事態に発展、鳩山内閣の屋台骨が揺らいでいる。
党の要である小沢氏自身の疑惑が側近議員らの逮捕に発展したことは、さきの衆院選で国民が
民主党に与えた信任を揺るがしかねない深刻な状況である。鳩山由紀夫首相は「小沢氏を
信じている」と述べ、続投を了承した。このため、事件の推移が首相の政治責任と
直結する構図となってきた。
◇首相も責任を共有
事件をめぐる小沢氏のこれまでの説明は説得力に乏しく不十分であり、このまま幹事長職に
とどまろうとしても、国民の理解は得られまい。潔白を主張するのであれば、国会などの
場で自ら進んで説明する責任をまずは最低限、果たすべきである。
もともと次期参院選に向けた決起大会と位置づけられていた党大会は現職議員逮捕の衝撃で、
異様なものとなった。小沢氏は検察当局とのあくなき対決姿勢と闘争心をあらわにし、
「党大会に合わせたかのように逮捕が行われ、到底、容認できない」とまで言い切った。
一方で、首相も早々に小沢氏の続投支持を大会で表明した。政治的に小沢氏と
運命を共にする意向を示したにも等しい、重い発言である。
検察当局との全面対決に政治生命をかけた小沢氏と、次期参院選を控え、小沢氏抜きの
政権運営は立ち行かないと判断したとみられる首相が結束を強調した形である。しかし、
このまま小沢氏が続投するにはあまりにも多くの疑問が解明されておらず、小沢氏の説明も
不足していると言わざるを得ない。
*+*+ 毎日jp 2010/01/17[07:06:19] +*+*
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20100117k0000m070100000c.html