【政治】 「民主・小沢氏本人」の任意事情聴取要請へ…東京地検特捜部、土地取引問題で
大マスコミは、なぜ政府批判に急変したのか(日刊ゲンダイ 2010/01/04 掲載)
今年の正月の新聞は、さながら小沢疑惑一色だった。「小沢氏から現金4億円」(読売)、
「東京地検 任意聴取も検討」(産経)、「(小沢の元秘書の)石川議員 在宅起訴へ」(朝日)と、
こんな調子で、いずれも1面デカデカである。
見出しだけ見ると、明日にでも逮捕されそうな勢いなのだが、もちろん、そういう話はない。
それじゃあ、今後、疑惑が炸裂するのかというと、そうでもなさそうだ。なにしろ、いくら紙面を
読んでも、何が疑惑なのかさっぱり分からないのである。
各紙とも小沢の資金管理団体「陸山会」が2004年に購入した世田谷区の土地取引がおかしいという。
土地代金の3億4000万円には小沢の資金、4億円が充てられたのに収支報告書に記載がない。
そのうえ、小沢サイドは当初、定期預金を担保に銀行から4億円を借りたと説明していたのに、
融資の実行前に支払いが終わっている――とまあ、こういうことを書き連ね、「何か裏があるのだろう」
と勘ぐるのだが、この先をどこも書いていない。
確かに、この4億円が怪しい裏金ならば、ひょっとしたら事件になるかもしれない。しかし、現時点での
疑惑はこの程度で、雲をつかむような話なのだ。水谷建設からの裏金じゃねぇか、なんて報道もあったが、
こちらは1億円とか5000万円の話で4億円とはずいぶん差がある。
要するに、何が疑惑なのかも分からないまま、ただ「怪しい」とバカ騒ぎし、それが元旦の紙面になった。
少なくとも読者にはそう見えるのだ。