【ワシントン共同=杉田雄心】日米両政府が、米英を中心とする次世代戦闘機F35の国際共同開発への
日本の参加を検討していることが29日、分かった。航空自衛隊向けの製品に関与を限定し、
武器輸出三原則に抵触するのを回避する方針。空自の次期主力戦闘機(FX)早期導入に道を開くのが狙いだ。
日米両国の政府筋が明らかにした。米側は参加を認める方向で調整しており、日本側は実務レベルで検討中。
ただ、他国向け武器輸出を禁じる三原則が形骸けいがい化する可能性もあり議論を呼ぶのは必至で、
日本政府の最終判断がどうなるかは見通しが立ちにくい。
F35は米英、イタリア、オランダなどが共同開発。日本は三原則に抵触するとして参加していない。
運用開始は2010年代半ばの予定。通常は開発参加国の調達が優先されるため、日本が開発に加わらない場合、
早期に調達できるか不安視され、日本向け部品生産などの形で開発に参加する案が浮上した。
参加が可能との判断が下れば、正式な機種選定前でも詳しい性能や価格の情報提供が想定されるという。
次期主力戦闘機は、老朽化が進むF4戦闘機の後継で、米国のF15FX、欧州共同開発の
ユーロファイターなど6機種が選定対象。当初目指したF22導入は米側の禁輸措置のため断念し、
F22と同様にステルス機能を持つF35が最有力となった。ゲーツ米国防長官も導入を強く推奨している。
現行の中期防衛力整備計画(中期防)では09年度内に調達する予定だったが、選定作業は大幅に遅れている。
政府は来年秋ごろに選定を追え、11年度予算編成に組み込む段取りを想定している。
武器輸出三原則は、麻生政権下で官邸が設置した有識者懇談会が、国際的な技術開発から遅れ、
防衛力低下を招くとして見直しを求めていた。ただ、鳩山政権下では目立った議論は出ていない。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200912300055.html 参考画像:F−35 ライトニングU
http://files.myopera.com/mehmetokyay/albums/855470/f-35-lightning-ii_04.jpg