【遭難】登山家が仲間を残して下山し、生の命を亡くした過去を語る「最後は自分が生きて帰らなければならない」「何度も夢に出てくる」

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1菅井きん 命がけの喫煙▲φ ★
25歳でエベレストへの登頂に成功し、七大陸すべての最高峰を世界最年少で登頂した記録を持つ野口健(のぐちけん)
さんをご存知だろうか? 野口さんは登山家として有名な人物で、自身の『アルピニスト・野口健のブログ』を開設
するなどインターネットでも積極的な活動をみせている。 そんな野口さんが、富士山で同僚と遭難した片山右京さん
について言及し、過去に自分も同じ経験をしたことを告白している。

野口さんも片山さんの遭難事故に対して、「右京さんが仲間を残したまま下山したのは間違えていなかったと思う。
最後は生き延びなければならない。極めて冷たい表現に写るかもしれませんが、冒険では一部例外を除けば基本的
には自己責任が求められるもの」とブログでコメントしている。

(中略)

<野口さんの過去の経験>
何故ならば2年前私がチョモランマに登頂した日の出来事が頭の中を駆け廻っていたからだ。一緒に登頂した日本人
登山家が下山開始直後に歩行困難となり、彼は私に向って「先に降りてください」と伝えてくるのだが、そんなこと
出来るわけでもなく、そして次に「すぐに追いつくから先に降りていて」と。一緒にその場に留まるのか、それとも
先に降るのか。あの標高で彼を背負って降りる事は不可能。つまり助ける事は出来ない。かといっていつまでも一緒
にその場に留まっていれば自分もやられる。酸欠と究極の極寒の中、自分はどうするべきなのか、なかなか判断でき
ないまま彼に声をかけ続けていた。どれほどの時間が経過したのか、「う〜ん」と唸り声と共に彼の首がガクッとな
り、そのまま脈が落ちた。私の手も寒さで悴んでいたので本当のところ、彼の脈が止まっていたのかどうか、正直分
からない。しかし、最後は自分が生きて帰らなければならないと、彼に「自分はどうしても帰らなければならない。
申し訳ない」と声をかけ、彼の体が落ちないように岩にロープで固定し下山を始めた。あの時の出来事が未だに何度
も何度も夢に出てきます。今振り返ってみてもあの状況ではやはり助ける事は出来なかった。しかし、彼を残したま
ま下山した、置き去りにしてしまったことには変わりはない。

全文と写真
http://getnews.jp/archives/42032