★クマムシのゲノム解読=固有遺伝子多数、乾燥耐性解明へ−東大など
・乾燥や高温、強い放射線などの極限環境に耐えられる微小な動物「クマムシ」の
全遺伝情報(ゲノム)を、東京大と慶応大、国立遺伝学研究所、情報学研究所の
研究チームが世界で初めて解読した。乾燥して生命活動が停止した「乾眠」状態が
数年以上続いても、水分さえあれば復活するメカニズムの解明が期待される。
研究成果は、横浜市で開催中の日本分子生物学会で10日発表される。
国枝武和東大助教によると、乾燥耐性を担う遺伝子を突き止め、その働きを化合物で
代替すれば、細胞を薬物処理して乾燥保存できる可能性がある。身体の多様な細胞に
変わるヒトの万能細胞「人工多能性幹(iPS)細胞」などを再生医療に応用する際、
長期凍結保存するコストがネックとなるが、乾燥保存技術を開発できれば、実用化が
進むという。
解読対象は、堀川大樹米航空宇宙局(NASA)研究員が、札幌市内の路上の乾燥した
コケから採取した「ヨコヅナクマムシ」(体長0.3ミリ)。クマムシはこれまで飼育が
難しかったが、ヨコヅナクマムシは、寒天培地の上でクロレラを餌として与え、
交尾なしの単為(たんい)生殖で産卵させ、増やすことができた。約2万5000匹から
DNAを抽出して分析した結果、ゲノムのサイズは約6000万塩基対、遺伝子は
約1万5000個と推定。このうち約1万2000 個が、ほかの動物にはない固有の遺伝子だった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091210-00000078-jij-soci ※クマムシ…Wikipediaより
・乾燥 : 通常は体重の85%をしめる水分を0.05%まで減らし、極度の乾燥状態にも耐える。
・温度 : 151℃の高温から、ほぼ絶対零度(0.0075ケルビン)の極低温まで耐える。
・圧力 : 真空から75,000気圧の高圧まで耐える。
・放射線 : 高線量の紫外線、X線等の放射線に耐える。X線の致死線量は57万レントゲン。(ヒトの致死線量は500レントゲン)