自動車のF1世界選手権からのチーム撤退が相次いでいる。
この1年間で経済状況を理由にホンダ、BMW、トヨタのメーカー3社が活動休止を発表し、
ルノーも撤退を検討している。さらにタイヤを1社で供給してきたブリヂストンも来季限りでの
離脱を決定。経済危機の象徴となったモータースポーツ最高峰の混迷は、加速するばかりだ。
国際自動車連盟(FIA)は今春、2010年からチームの年間予算を
4000万ポンド(約60億円)以下とするコスト削減策を発表。しかし、フェラーリ、
トヨタなどのF1チーム協会は、FIAを離脱して新シリーズを開催すると発表し、
対立を深めた。
この「戦争」は、FIAが削減案の白紙撤回に応じたために収拾したが、その際に12年まで
参戦する協定を結んでいたはずのトヨタは11月4日、「経営環境や中長期的な観点から
苦渋の決断をせざるを得なかった」(豊田章男社長)として撤退を決定。FIAも
「トヨタの発表は、我々が提唱したコスト削減の必要性を証明した。F1チームには
コスト削減に同意するよう働きかけていく」との声明を出し、新たな対立も予想される。
F1には来年から新たに4チームが参戦し、参加チーム数ではF1が縮小されることはない。
ただ大半は、コスト削減を見越して参戦したとみられ、大メーカーほどの財政基盤を
持ち合わせていない。チーム間で広がる「経済格差」がレース結果に反映され、
優勝争いの興趣をそぐことにはならないか。それ以前に、フェラーリの声明も事態を
楽観視していない。「来季開幕戦のスタートについたチームのうち、何チームが
シーズン末まで残るか見守る必要がある」
*+*+ YOMIURI ONLINE 2009/11/10[06:07:13] +*+*
http://www.yomiuri.co.jp/sports/news/20091109-OYT1T01145.htm