ポーズを決める顔、顔、顔――。
日本のアニメを基にしたコスプレが大人気のタイ。あこがれのヒーローやヒロインに
なりきったそれぞれの表情は、キャラクターが本当に乗り移ったかのように凛(りん)としていて、
ドキリとさせられる。
コスプレが好きな若者に話を聞いた。バンコクの有名大学に通う女性(19)は、
今年でテレビ放映開始から30周年の「機動戦士ガンダム」シリーズに登場する女性キャラクターの、
「現実だったら、すごくかわいい制服」がお気に入り。服は自分で作る。「衣装を
まとった瞬間、自分じゃなくなる。それがたまらない」
会社員の男性(23)は、アニメ「NARUTO―ナルト―」のファン。「音楽を聴いたり
映画を見たりするのと同じ感覚でコスプレをやっている。特別なことをしているつもりはない」と、
日常生活の一部としての趣味であることを強調する。
タイでは日本のポップカルチャーが浸透しており、一部若年層のアニメや漫画、ファッションへの
傾倒は顕著だ。中でも、コスプレは今、「旬」を迎えているようだ。日本人の協力に
よるものだけでなく、タイ人の発想による独自のイベントも増えてきた。首都バンコクでは、
週末になるとコスプレが関係する各種イベントがどこかで行われている。
コスプレを楽しむ日本びいきの若者たちの満足そうな様子をうれしく思う一方、
彼らがふんするキャラクターのほとんどを知らないことに「日本人なのに、いいのか?」と
恥ずかしく感じることがある。そんな話をタイの知人にすると、「世代の問題では?
もう若くないんだよ」と笑われた。
*+*+ YOMIURI ONLINE 2009/11/05[22:52:06] +*+*
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20091105-OYT1T01026.htm