「失業して従業員寮を追い出された」などと偽り、新設された失業者向けの融資や
失業保険計約72万円をだまし取ったとして、甲府地検は14日、詐欺の罪で、
笛吹市の無職小林春雄(50)と同市の型枠大工佐藤鉄也(48)、甲府市の
無職生山勝彦(66)の3容疑者を起訴した。3人は起訴内容を認めているという。
同地検によると、住居を失った失業者に住宅の初期費用を融資する「就職安定資金融資」が
昨年12月に始まると知った小林被告が、失業保険と併せて不正申請し、金銭を詐取しようと計画。
小林被告が
昨年8月に廃業した会社で働いていた生山被告を通じ、生山被告宅に居候していた
佐藤被告に犯行を指示。佐藤被告が実行役を務めた。
起訴状によると、3人は共謀して昨年12月、佐藤被告が「廃業した小林被告の会社に
勤務していた」と虚偽の申請をしてハローワーク甲府の職員に失業保険の受給資格決定を
させ、今年2〜4月に計46万2600円を入金させてだまし取った、としている。
また、3人は共謀して昨年12月、中央労働金庫甲府支店で、佐藤被告が担当者に
「失業して従業員寮を退去させられた」とうそを言い、受給資格がないのに就職安定資金融資の
申し込みをして融資決定させ、合計25万8130円を振り込ませてだまし取った、とされる。
申請時には、ハローワークにあらかじめ作成させた、同融資の対象者であることの
証明書を提出していたという。
厚生労働省によると、融資制度は昨年12月に創設。今月9日時点で約1万人が利用、
約78億9千万円が融資された。14日現在、全国で6件の悪用事例が報告されている。
同省就労支援室は「不正融資がないよう工夫しているが、犯罪集団による悪用など
対処が難しい。審査基準の見直しも含めて今後の課題だ」としている。
*+*+ 山梨日日新聞 2009/10/15[06:33:49] +*+*
http://www.sannichi.co.jp/local/news/2009/10/15/5.html