岐阜県高山市の北アルプス奥穂高岳で、登山者の救助活動をしていた県防災ヘリコプター
「若鮎(あゆ)2」が墜落し、乗員3人が死亡した事故で、県防災航空隊が県警航空隊の反対を
押し切って出動していたことが、県と県警の調べでわかった。
県警などによると、県防災航空隊は、11日午後1時半頃、長野県から「心肺停止の遭難者が
いる」との119番通報の転送を受け、出動準備を開始した。
一方、県側から連絡を受けた県警航空隊は、県防災ヘリが北アルプスでの出動実績がない
ことなどから、県警ヘリを出動させる準備を行った。
当日、県警航空隊の隊長と副隊長は愛知県の会議に出席していたが、救助要請の知らせを聞き、
愛知県警ヘリで県警航空隊に急行。県側には待機するよう要請したが、県側は「待てない」と
回答。同2時10分頃、単独で若鮎2を出動させたという。県警は若鮎2出動後も、救助機の
交代を県に要請したという。
横井篤副知事は18日、県警の反対を押し切って出動したことに関して、「職員の記憶が微妙な
ところもある。職員から話を聞き、なるべく早い時期に発表したい」と答えた。
県警は19日、ヘリの運航を管理している県防災課と県防災航空センターを業務上過失致死
容疑で捜索した。
読売新聞 2009年9月19日11時46分
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090919-OYT1T00478.htm