ゲーム『テトリス』をプレイすると脳の働きが活性化することが、
新たな研究結果から明らかになった。
この研究報告は、テトリスのメーカーが資金を提供し、ニューメキシコ州にある
Mind Research Networkの研究員たちによってまとめられたもの。
オープンアクセス誌『BMC Research Notes』に9月1日付けで発表された論文によると、
この名作ゲームをプレイすると、調査対象者たちの脳に、2つの異なる影響が起きることが
確認されたという。
この研究では、十代の女性のグループを対象に、テトリスをやり始める前と、
3ヵ月間練習をした後でMRIによる脳の断層撮影を行なった。[Science Dailyの記事によると、
26人の少女に3ヵ月間にわたり毎日30分ずつテトリスを練習させた]
この結果、脳内のある部分では活動効率が増し(上の図で青くなっている部分)、
別の部分では皮質が厚みを増す、つまり灰白質[神経細胞の細胞体が存在している部位]が
増えたことが示された(赤くなっている部分)。[青い部分は右前頭葉や頭頂葉で、
思考や言語などをつかさどる部分。赤い部分は前運動野などで、多感覚統合や
複雑な動作の統合に関わる部分とされる]
今回の研究を行なった研究者たちは、ビデオゲームのような「視野空間に関連する
作業に挑戦する」ことに集中すると、脳の活動が活発になるだけでなく、
脳の構造そのものも実際に変わりうると言っている。
共同研究者のRichard Haier博士はこの研究について、「テトリスのプレイヤーが、
ゲームだけではなく一般的な他の行動に関しても永続的な効果を得られることを示す」
かもしれないと話す。たとえば、ゲームなどの活動に従事することが、
高齢化に伴う脳の衰えを防止するのに役立つ可能性があると同氏は指摘している。
(一部省略)
ソース:wiredvision
http://wiredvision.jp/news/200909/2009090320.html http://img1.wiredvision.jp/news/200909/2009090320-1.jpg