授業料の滞納、退学……。「格差社会」に不況が追い打ちをかけるなか、高校生たちが立ち上がり、
声を上げ始めている。授業料値上げに反対する生徒集会。教育費の無償化を訴えるパレード。選挙権
はないけれど、取り組みを通じて「政治」への思いも強めている。
◇
「授業料値上げ、はんたーい!」。昼休みの中庭に生徒が集まり、校長室に向かって拳を突き上げた。
全校生徒の3割近く、約600人。6月下旬、名古屋市の私立名古屋高校でのことだ。
■相次ぐ値上げ決定
08年度の新入生から施設整備費が年間3万6千円値上げされた。さらにこの5月、突然、来春の新入
生から授業料が年間3万円値上げされることが決まった。学校側は「これまで10年間値上げしていない。
新校舎を建設中で、今後の学校経営のことを考えた」という。
3年の男子生徒(18)は最初、今の在校生には関係がない話だと思っていた。でも「未来の生徒を苦
しめないで」と反対し、ハンガーストライキをしていた先生が脱水症状で倒れる様子をすぐそばで見て、
ショックを受けた。「値上げは、本当は今いる僕たちに投げかけられた問題ではないか」「何かできないか」
生徒集会を企画し、仲間5人とビラをつくって当日の朝、校門で配った。他の級友も「協力したい」
と他のクラスを回り、黒板に告知を書いてくれた。携帯メールも流してくれた。
集会の1時間前、教頭に呼び出されて「大げさだ」と言われた。「でも、残り少ない高校生活で後悔
したくなかった。『伝説』も作りたかった」
記事
学ぶ権利、格差に「NO」 高校生も政治に訴え - 教育
asahi_com(朝日新聞社) 2009年9月1日
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200909010098.html (次へ続く)1/3