【論説】 「ニュース速報+板の荒れ方…麻生さん、ネトウヨというパラノイアの支持を真に受けたか」「2ちゃんは終焉に」…小田嶋隆★9

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1 ◆PENGUINqqM @お元気で!φ ★
・2ちゃんねるでは、たとえば、誰かが問題発言をしたり、社会的に注目度の高い事件が起こったりすると
 その話題についてのスレは「祭り」状態になり、一日か二日のうちに10スレ、20スレと数を重ねることになる。
 「アニメ」「児童ポルノ」「少年犯罪」「モー娘。」「石原閣下」「筑紫さん」「ガンダム」など、ネット文化との
 親和性の高い話題や、「2ちゃんねる」自身の情報を含んだニュースが祭りになりやすいという傾向は
 あるものの、祭りの規模は、おおむねスポーツ新聞の見出しの大きさに比例している。

 が、選挙を間近に控えて、掲示板の様子は違ってきていた。
 具体的に言うと、掲示板自体が、政治的なプロパガンダの場に変貌していたのである。
 で、「祭り」の様相も、「デモ」「街宣」に近い、キナ臭いものになっていた。
 こんな短期間のうちにこれほど露骨な変化が起こったのは、おそらく2ちゃんねるの歴史の中では
 はじめてのことだと思う。

 たとえば投票1週間前の「ニュース速報+」板は、自民党支持の2ちゃんねらーと、民主党支持の
 2ちゃんねらーが双方の党首や政策を攻撃するためのスレが乱立して、板自体が落ちることさえあった。

 ちなみに「ニュース速報+」における「+」の意味は、「この板は、キャップ(資格)を持った『記者』と
 呼ばれる人間だけがスレッドを立てる権利を持っている板だ」ということ。資格制を持ち込むことで、
 些末なスレッドが立つことや、板全体がスレ立て合戦に陥るリスクを避けるということなのだそうだ。
 とはいえ「記者」も、色々だ。ある記者には「特定の思想や立場を推進することを旨とした工作員」
 なのではないかという疑惑がつきまとっているし、別の記者は「一人の人間ではなくて、一つの記者名を
 何人かのグループが共同運営している」と噂されている。事態は単純ではない。

 とにかく、+の記号が付加された板には、ある程度の公共性がある、ということらしい。
 私個人は半分ぐらいしか信用していないが。
 で、その「ニュース速報+」の板が、この半月ほど、えらく荒れていたわけです。(>>2-10につづく)
 http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20090828/203664/?P=1

※前:http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1251720866/
2 ◆PENGUINqqM @お元気で!φ ★:2009/08/31(月) 23:55:33 ID:???0
>>1のつづき)
 通常の状態では、政治の話題は、全体の3分の1にも満たないのだが、ここしばらくは、ざっと見て
 政治ネタが3分の2を占有していた。しかも、いちいち祭り状態にあって、消費が異常に速かった。

 たとえば、8月の半ばには、「日の丸スレッド」が93スレッドを消費している。
 無論、切り刻んだ相手が国旗なのだからして、怒る人々が大勢いたことは想像に難くない。
 が、それにしても、スレッドの伸び方は異様だった。
 途中から、通常の意味での書き込みは影をひそめ、スレッド数を伸ばすことを自己目的化したかの
 ような、コピペだらけになって行った。

 世間は、静かだった。新聞は党首討論でこの話題が出たことを報じた後、ほとんど続報を流さなかった。
 テレビも同様。ほとんど時間を割いていない。
 であるから、2ちゃんねるでは、スレッド数が50を超えた頃には、「新聞は事態を黙殺している」「テレビは
 報道から逃げている」と、2ちゃんねるとマスメディアの温度差について言及する意見が目立つようになっていた。
 8月の20日過ぎには、今度は、麻生総理の失言をとらえたスレッドが、67まで数を伸ばした。
 このスレッドでも事情は同じで、麻生非難派と擁護派の書き込みは、途中からほとんど同じセリフの
 コピペに終始するようになる。

 ここ数年、2ちゃんねるはおかしい。
 出入りする人間の数が増えて、客層もずっと幅広くなったはずなのに、話題は、むしろ偏ってきている。
 簡単に言えば、2ちゃんねるは、ある時期から、プロパガンダの場所になったということだ。
 今回、選挙騒動を通じて、2ちゃんねるが進んでいる方向は、ある程度はっきりした、と私は考えている。

 ネット言論は、なんだか非常にやっかいな化け物に成長しつつある。
 彼らは「オレたちが一致団結して行動すれば、なんだってやれるんだぜ」と、そんなふうに考えることを好む。
 おそらく、2ちゃんねらーが自分たちのパワーを意識しはじめた頃から、この掲示板には、その力を利用
 せんとする人々を蝟集する奇妙なパワーが宿りはじめたのだと思う。

 で、結果として、ネトウヨが集まり始めたのだと思う。(>>3-10につづく)
3名無しさん@十周年:2009/08/31(月) 23:55:49 ID:+fWZTOwQP
ネ ト ウ ヨ は 日 本 か ら 出て 行 っ て く れ な い か ? 
4 ◆PENGUINqqM @お元気で!φ ★:2009/08/31(月) 23:56:19 ID:???0
>>2のつづき)
 ネット右翼が、クリック数やメール本数に相当するだけの人数を本当に持っているのかどうかは
 はっきりとしたことはわからない。
 もちろん、それなりの影響力はある。たとえば、彼らは麻生首相について一貫して熱心な支持を
 表明しており、マスメディアでも引用されてきた。
 3月には「祭り」によって、すでに旬を過ぎ死に体だった著作『とてつもない日本』がいきなりアマゾンや
 紀伊國屋書店のランキング上位に入るくらい売れた。
 「ニコニコ動画」ネット世論調査では、ユーザーの麻生内閣支持率は5月28日の段階で、36.5%という高い
 数字(男性に限ると42.7%)を記録している。
 ちなみに、ほぼ同時期に朝日新聞社が実施した調査における内閣支持率は19%に過ぎない。

 あるいは、麻生さんは、ここのところを読み違えたのかもしれない。
 「ほら、若い人たちは、こんなにオレを支持してくれている」

 ネット右翼が大量発生しているのか、少数のネット右翼が大量書き込みをしているのか、本当の
 ところはわからない。結局、ネットというのはそういう場所なのだ。
 リアルな世界では、一人の人間の叫びは、一人分の声にしかならない。
 が、ネットの世界では、一人が10万回クリックすることで、10万人分の怒号を演出することができる。
 と、10万の怒号がスクロールする画面を見た情報弱者はこう思う。
 「おい、大変なことが起こっているぞ」と。

 違うのだよ麻生さん。ネトウヨは数が多いのではない。クリックの頻度が高いだけ。ただのパラノイアだ。
 匿名のパラノイア。そんな支持を真に受けたのがたぶんあなたの失敗だった。自業自得。

 自らの「力」を自覚し、それを意図的に使おうという匿名のパラノイアが生まれたことで、2ちゃんねるの
 歴史は最終段階に来ている。

 匿名掲示板は、サロンであった時代を終えた。無論、世論の鏡として機能していた段階も離れた。
 で、どうやら一種のアジビラかステ看板みたいなものに変貌しつつある。この動きは、たぶん
 もう元には戻らない。
 道端のステ看に振り返る人はもうあまりいない。まとめて燃やしてくれるなら、祭りの盛り上げ
 くらいには使えるかもしれないが。(以上、抜粋。本文はかなりの長文です)