南極海での重油使用を禁止 日本の調査捕鯨に影響大
貴重な生態系が残る南極海域の環境保全のため、この海域を航行する船が重油を燃料に
使ったり、運搬したりすることが国際条約で禁止されることになった。日本も加盟する「船舶に
よる汚染防止のための国際条約(マルポール条約)」の付属書改正案に各国が29日までに
合意、来年3月に正式決定される。
国土交通省や水産庁などによると、日本でこの措置の影響を受けるのは南極海で行って
いる調査捕鯨の母船「日新丸」で、燃料の切り替えの結果、費用が大幅に増える可能性が
高い。環境保護団体などからの風当たりの強い調査捕鯨だけに、今後のコスト試算などが
注目される。
改正は、事故で燃料や積み荷の重油が南極海やその周辺に流出し、貴重な環境を汚染
するのを防ぐのが目的。南極観光が盛んになり、南極海を航行する船の増加が指摘されて
いることが背景にある。
同条約を所管する国際海事機関(IMO)の海洋環境保護委員会は7月の会合で、南極海域
では、1立方メートル当たり900キロ以上の比重の高い油などを燃料に使うことや運搬するこ
との禁止に合意した。国土交通省によると、船舶燃料などに使われるC重油が対象になる。
http://www.47news.jp/CN/200908/CN2009082901000183.html