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支援する女性たちに聞いてみた。「赤城さんを応援するのはどうしてですか」。
すると記者の肩をポンっと押して一喝。
「どうしてって、あなた、その聞き方はおかしいでしょう。赤城さんを応援しちゃいけないんですか?
人柄、学歴、実績、私たちの信頼は何があっても揺るぎませんよ!」。
東京から来た取材者は、即座に敵対者とみなされてしまった。
陣営のピリピリムードは危機感の表れだ。祖父・宗徳氏(故人)から57年続く地盤は、
中選挙区時代から6期連続で、ほぼ無風だった。しかし、今回ばかりは、様相が違う。
安倍内閣時代の07年、事務所費不正問題が浮上。全国的に疑惑の目が集まるなかで、
“謎の絆創膏事件”が追い打ちをかけた。参院選に悪影響を及ぼしたとの理由で、農水相を辞任。
この一連の騒動で、地元でもついに不信感が噴出してしまった。水戸市内では選挙用ポスターの
赤城氏の顔写真に、絆創膏を張り付けるようなイタズラも起きた。
同区内の30代有権者はこう話す。「これまで地元では、宗徳さんのお孫さんだから
偉い方なのだろう、いずれは総理大臣になるだろう、と思われていましたが、
もともと何をしているのかよく分からない面があった。
簾の向こうのお殿様と同じで、実態をあまり見せませんでしたから」
JR水戸駅前などでの街頭演説をしても足を止めて聞く人は、前回選挙と比べて格段に少なくなった。
暴風雨が吹き荒れていることは本人も、陣営も承知している。事務所関係者は「事務所費問題は、
法にのっとって処理したことはちゃんと記者会見で説明しているはずだし、絆創膏にしても
本人は毛包炎だったと説明している。どうしてそれが伝わらないのか」といら立ちを隠さない。
この2年で大きく広がってしまった不信という傷。ふさぐ絆創膏はないものか。
以上