【中国】“統計の怪”…地方別GDP合計、なんと19兆円超過 「原因は各地方政府の“ほら”にある」

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 3日付京華時報によると、中国各省(中央直轄市・民族自治区)が発表した2009年上半期(1−6月)のGDPの合計が、国家統計局が発表した同期の全国GDPを1.4兆元(19兆円)上回っていることが分かった。
 中国ではGDPなど主要な経済指標を中央政府の国家統計局と31の省がそれぞれ発表する。全国統計と各地発表の合計が誤差と見なせる値以上に異なり、統計の信憑性(しんぴょうせい)が問題になることが多い。
 中南財経政法大学の葉青教授は、各地の統計に重複があることが問題と説明した。全国規模で活動している大企業は本社が各支社の成績を統計に算入。この数値は本社所在地のGDPに組み込まれることになる。一方、各地の支社の
成績は、それぞれの地方政府が作成の統計に組み込まれるという。葉教授は、GDPなどで各省の合計と全国統計に「矛盾」が生じるのは、技術的な欠陥をの見方を示した。

 しかし、京華時報は葉教授の説明だけでは納得できないと論じた。「分かる人は分かっている。原因は各地方政府の“ほら”にある」として、「経済指標が全国平均を上回ったことにしたいからだ」と断じた。中国では、
共産党中央や国務院が、各地方の党・政府幹部の「成績考課」を行う。経済運営の優劣は、重要な項目のひとつだ。京華時報は「多くの地方政府が、経済指標をよくする口実を探している」、「地方政府への信頼を損ね、
誤った数字が政策決定に悪影響を及ぼす」などと批判した。

 なお、あからさまな数字の操作が発覚した場合には、処分・処罰の対象になる。そのため、指摘された場合には「統計手法上の問題点だった」と言い訳できるよう、成績の水増しが巧妙化している可能性もある。

 京華時報は、葉青教授が「地方政府による数字の意図的操作」に言及しなかったことについて、「調べたところ、教授は湖南省の統計局副局長でもあった」、「なるほど、これで分かった」
などと皮肉った。(編集担当:如月隼人)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090803-00000084-scn-cn