【社会】 「しまった、しまった」 丸刈り頭の20代男、車で信号機を折り、西の方へ歩いて去る…京都

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143名無しさん@十周年
 浪僧、辻の傍示燈を倒せる語

今は昔、上京二条の渡りに僧ありけり。
形、僧なりといへども、心、邪見にして明け暮れ京童どもを集めて遊び戯れ、酒を飲み魚を食して、些かも仏法を知らざりけり。
しかる間、夏の凌ぎがたきを厭ひて、赤酒の濃きをひたに飲みて、ともばらをば打ち具して、輿に乗り、
「いざ担げ、伏見にくだらむ、麦縄作らしめて喰らはばや」とて、夜をこめて、をめき叫びて走らせけり。
しかるに、京にかへる明つかたにや、輿担ぐ童ども、
「いたく足萎へて侍りぬ、輿より下りたまへよかし」
といひければ、僧、
「いなとよ、かくばかりにて、なでう疲れなむ」
とて、杖にて責めに責めければ、童どもいたく腹立ちて、
「さらばこれにて喰らへ」
とて、辻の傍示燈にしたたかに打ちつけければ、傍示燈二つ様にをれ、輿、いたく曲りけり。僧、まろび落ちざまに
「南無三宝、これはしたり、したり」
とて、ひとりごちしてぞ、いづれにか逃げ失せにける。
折たる傍示燈を見聞く人、みな無念なりしならむとなむ語り伝へたるとや。