東北地方の各県労連と、シンクタンク「労働運動総合研究所」は27日、最低生計費の
試算結果を公表した。同地方に住む20代男性が生活を維持するには月額23万1421円
(税込)が必要で、時給換算で1332円と、最低賃金の628円(岩手県)〜653円(宮城県)と
大きな隔たりがあるとしている。
県労連は最低賃金改善のため、この結果を今後開かれる福島労働局の最低賃金審議会に
資料として提出する。
調査では今年5〜6月、所有物や外食の割合、購入価格など生活実態を尋ねたところ、6県の
1528人から回答を得た。テレビなどの家財道具は耐用年数で割り、加算した。
今後、各県別や家族構成別の詳細な生計費をまとめる方針。
試算では、岩手県北上市郊外に住む若年単身世帯を想定し、家賃は駐車場代込み3万円、
39万円の中古車を持ち、冷蔵庫や洗濯機、テレビ、パソコンを所持するとした。
食費4万822円(会食費含む)、教養娯楽費1万8145円などの合計を法定労働時間の
173・8時間で割ると、1332円となった。
同研究所が昨年まとめた首都圏の最低生計費は20代男性で月23万3801円。東北地方の
居住費は安いが、光熱費や自動車維持費が高いため、ほとんど変わらなかった。一方で、
最低賃金は東京の766円と比べると大きな差がある。
http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20090728ddlk07020211000c.html