民主党は11日、これまで主張してきた海上自衛隊によるインド洋での給油活動停止を次期衆院選マニフェスト
(政権公約)に盛り込まない方針を固めた。2007年の参院選政権公約には米国と対立することも辞さずに
「イラク派遣自衛隊の即時撤退」を明記したが、今回は衆院選後の政権獲得が現実味を増してきたことを踏まえ、
給油継続を強く望むオバマ米政権に配慮して現実路線に転換することになった。
民主党は、01年に始まった給油活動を「戦争参加そのもので違憲」(小沢一郎代表代行)と批判。根拠となる
テロ対策特別措置法や、継続のための法改正に一貫して反対してきた。政権獲得後は、米国とアフガニスタン
支援戦略を協議する中で、給油継続の是非を総合的に判断する構えだが、政権公約に記載しないことで停止は
事実上先送りとなる可能性が高まる。
民主党の外交・安全保障分野の政権公約最終案は、アフガニスタン問題でテロ根絶と平和構築に日本が主体的に
取り組む考えを表明。その上で(1)経済支援(2)警察行政強化(3)人道復興支援―を貢献策として挙げた。
日米関係については「対等で相互的な同盟関係」と位置付け、在日米軍再編計画を見直すとともに、日米地位協定の
抜本的な改定を訴える。
北朝鮮をめぐっては、核実験やミサイル発射を強く批判。米国、韓国、中国、ロシアと連携し「追加制裁実行を含め
断固たる措置をとる」と強調し、日本人拉致問題について「重大な主権侵害であり、国の責任で解決する」と約束する。
中国に関しては、さらなる友好協力関係の促進を基本とした。ただ、人権問題や軍事費の増大に対する懸念も表明。
鳩山由紀夫代表が提唱する東アジア共同体の設立に向け、経済協力を深化させる方針を掲げる。
中国新聞
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200907120092.html