ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)などのエコカーは“普及元年”を迎える中、エンジン音
がしないため、歩行者が気付きにくい電気モーターによる走行が、事故の原因になりかねないとの指摘が
出ている。国土交通省によると、音が静かな静粛性が原因の事故は報告されていない。ただ、HVだけでも
今後10年間で世界販売台数が20倍以上に増えるとの予測もあり、エコカーの本格普及に備え、国連が
今春から国際基準の検討に乗り出したほか、国内メーカーも走行時に音を発生させる装置の開発を始めている。
5月下旬の雨の日、都内で、トヨタ自動車のHV「プリウス」を運転していた30代の主婦は、思わず
ブレーキを踏んだ。狭い一方通行の道路を低速で走っていると、左前方を傘を差しながら自転車で走っていた
高齢者が車の前に出てきたからだ。
プリウスの場合、発進時や低速時はモーターだけで走行するため、歩行者は後ろから車が近づいてきたこと
にまったく気付いていなかったようだ。
トヨタ自動車やホンダが今年発売した新型HVが絶好調の売れ行きをみせ、三菱自動車や富士重工業
が相次いでEVの市販を始めたことで、街中を走るHVやEVは一気に増える。JPモルガン証券では、
HVの世界販売台数は2008年48万台から20年に1128万台に拡大すると予測する。今後、
主婦が経験したような“ヒヤリ”だけでは済まず、事故が起きてしまう懸念はぬぐえない。
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>>2以降に続く)
▽産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090606/biz0906062036010-n1.htm