警視庁が、ひったくりで検挙した少年少女計110人に犯行時の
模様などを尋ねたところ、狙われやすい状況が浮かび上がった。
女性や高齢者が主な標的だったが、中には「携帯メールをしている人は、
周囲への注意が欠けており、狙い目」との声もあった。同庁は注意を
呼びかけるとともに、ひったくり犯の心理分析を続け、対策につなげたいと
している。
特殊な道具や技術が不要なひったくりは、未成年者の犯罪が多いとされる。
今回は昨年1月から今年3月末までに都内で検挙した少年少女を対象に調査した。
それによると、狙った相手については、「女性」と答えたのが78人で
最も多かった。これに「高齢者」と答えた47人が続いた。「女性や高齢者、
それに酔っぱらいは追いかけてこない」というのがその理由だった。
さらに、「携帯電話でメール中の人は狙いやすい」という回答もあった。
携帯の画面に集中している人は、周囲に対する注意力がそがれがちで、
ひったくり犯の標的になりやすいようだ。
犯行時間は午後8時台と午後11時台が目立ち、終電後も多かった。
犯行場所として、64人が「人通りが少ない場所」を挙げており、84人は
裏通りで犯行に及んでいた。
捕まらないための手口も巧妙化していた。「目立たないよう黒い服を着る」
「犯行後の着替えを用意する」といった回答のほか、「ひったくった後、
仲間が被害者を助けるふりをして声をかけると、110番されない」などと
話す少年もいたという。
読売新聞 2009年6月4日09時35分
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090603-OYT1T01209.htm