県文化財に指定されている広坂1丁目の県有施設「城南荘(旧横山男爵邸)」が、
来訪者もほとんどなく、活用されないままになっている。
かつては県職員施設として利用されたが、文化財指定後は希望者にだけ公開され、
観光案内にも掲載されない隠れた名所に。
県では「今後も外向けに広報する予定はない」としているが、
一部で有効活用を求める意見も出ている。
城南荘は加賀家老で明治維新後、尾小屋鉱山を経営した横山隆平が
1894(明治27)年に建設した。
江戸時代の伝統に明治の感覚を加えた武家建築最後の建物とされ、
随所に北陸の鉱山王と呼ばれた横山家の財力をしのばせる技術が施されている。
1949(昭和24)年に県が福利厚生施設として買収し、
79(同54)年に文化財指定を受けた。
県では嘱託職員1人を常駐させ、平日午前10時から午後4時まで
見学者を受け入れているが、観光案内などで紹介していないこともあり、
利用はほとんどない状況という。
年間にかかる維持管理費は光熱費や樹木の剪定(せんてい)などで300万円弱。
観光関係者などからは
「市中心部に位置する施設として、催し物の開催など積極的に活用すべきではないか」
との意見もある。
一方で城南荘の向かいに建つ金沢ふるさと偉人館の松田章一館長は
「文化財だからといって何でも公開すればいいというものではない」
と指摘し、将来的に活用する場合は、加賀藩初の洋式武学校
「壮猶(そうゆう)館」があった場所にちなんだ内容を検討してほしいとした。
県管財課は「今の段階で今後の活用を検討しているわけではない」
とし、現状のまま維持管理を続ける方針だ。
ソース:
http://www.hokkoku.co.jp/subpage/OD20090601501.htm 画像:
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