【コラム】再発防止の徹底を繰り返しても、身内の不正にけじめがつけられない組織を信頼することはできない

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オフタイム:身内に甘い体質 /福島

JAたむらで先月、船引支店の30代男性職員が顧客から預かった
共済掛け金約170万円を2年間にわたって着服していたことが発覚した。
常葉支店の30代男性職員による同様の着服が明らかになってからわずか
6カ月しかたっていない。金融や共済事業を扱う信用第一の組織で
このような不祥事が相次ぐのは、同JAの体質に欠陥があると思えてならない。

常葉支店の着服が分かった直後、同JAは全店検査を実施したという。
が、船引支店の職員はその前後にも入出金伝票を操作し、横領を続けていた。
不自然な金銭の出入りを見過ごした検査は一体何を調べたのか。結局、
保険証書が届かないことを不審に思った顧客からの問い合わせがあるまで
内部では不正に一切気付かなかったというのだから、あきれるばかりだ。

同JAは2件とも刑事告訴をしていない。「全額弁済しており、本人の将来性を考慮した。
報道によって社会的制裁を十分に受けた」と理由を説明する。もし、
外部の人間がJAの金品を横領したとしても、発覚後に弁済すれば同JAは
被害届を出さないのだろうか。再発防止の徹底を繰り返しても、身内の不正に
けじめがつけられない組織を信頼することはできない。【坂本智尚】


http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20090522ddlk07070253000c.html